昭和電工
新統合会社「レゾナック」発足
持株会社体制移行
〝第2の創業〟として変革
昭和電工(髙橋秀仁社長)は、子会社である昭和電工マテリアルズ(髙橋秀仁社長)と来年1月1日に統合し、新会社「株式会社レゾナック」を発足させる。昭和電工では、9月29日に開催した臨時株主総会において、来年1月1日に持株会社体制への移行を決定。両社は持ち株会社「株式会社レゾナック・ホールディングス」と、事業会社の「株式会社レゾナック」へと移行することが承認された。昭和電工グループでは、統合新会社の誕生を〝第2の創業〟と位置付け、世界トップクラスの機能性化学メーカーを目指してさらなる変革を進める。
昭和電工は2020年に旧日立化成(現・昭和電工マテリアルズ)を買収し子会社化、以降は両社統合の準備を推し進め今年1月に経営体制を一本化した。今回の統合により、新会社の売上高は約1兆3000億円(21年決算ベース)となり、このうち半導体・電子材料分野の売り上げが約4000億円を占める。半導体の微細化に限界が見える状況にあって、新たに注目が集まる〝後工程〟分野において、圧倒的なグローバルトップ企業として事業の拡大を図る。
昭和電工は石油化学事業や黒鉛電極事業、機能性材料事業など、安定的に収益を上げる事業を展開。昭和電工マテリアルズは、半導体材料事業や自動車材料事業などといった成長が期待される事業に強みを持っている。両社の統合により、安定事業で得た収益を成長事業へ集中投資する展開が開かれることから、一層の成長が見込める。
今回の統合は事業領域の拡張だけでなく、川中に位置する昭和電工と、市場に近い川下に位置する昭和電工マテリアルズの統合といった新たな体制を構築。顧客に近い製品を扱う昭和電工マテリアルズが拾い上げた〝市場の声〟を、昭和電工の素材にまでさかのぼって開発につなげる事業展開が可能となる。昭和電工の強みとする計算科学を生かしたDXの推進、両社の特許を合わせることによって拡充する知財戦略など、一段とシナジーを発揮してイノベーションを引き起こし、市場において新たな価値を創出する。
統合会社で特に力を注ぐ領域は、半導体・電子材料事業で、21年度の売上高が3918億円という大きな規模と高い収益性を保有。高純度ガスやCMPスラリー、銅張積層板、感光性フィルムなど、半導体材料の多くで世界トップクラスのシェアを備えている。グリーン半導体として注目される次世代パワー半導体用のSiCエピタキシャルウエハーにおいても高成長を継続。今後も半導体・電子材料事業への投資を着実に実行し、全社の発展をけん引していく。
統合新会社レゾナックでは、売上高1兆円以上の規模を維持しながら、EBITDAマージン20%以上を確保し、今後は世界トップクラスの機能性化学メーカーを目指していく。
新会社であるレゾナックは〝化学の力で社会を変える〟をパーパスとして掲出。さまざまな社会課題を解決するための技術革新に向けて、パートナーとの幅広い共創も不可欠であることから、レゾナックは〝共創型化学会社〟として、共創を通じて持続的な成長と企業価値の向上を目指していく。
社名の「RESONAC」は、英語の「RESONATE(共鳴する・響き渡る)」と、CHEMISTRYの〝C〟を組み合わせて命名。昭和電工グループが持つ幅広く自在な先端材料テクノロジーと、パートナーの持つさまざまな技術力と発想が強いつながりを持つとともに、大きな共鳴を起こし、その響きが広がることによって〝さらに新しいパートナーと出会い、社会を変える大きな動きを創り出していきたい〟という強い想いが込められている。