2022年10月5日

ブリヂストン
米国でリトレッド事業強化

TB用タイヤ リトレッド用部材能力増強

ブリヂストンの米州グループ会社であるブリヂストンアメリカス(パオロ・フェラーリ社長兼CEO)は、リトレッド事業の成長を加速させる目的から、トラック・バス用タイヤのリトレッド用部材を生産する米国アビレーン工場の生産能力の増強を決定した。総投資金額は6000万米㌦(約84億円)で、生産スペース拡張および設備増設は2025年1月までに完了する見込み。これにより生産能力が16%増強される。

ブリヂストンでは、〝2030年長期戦略アスピレーション(実現したい姿)〟で示した道筋に沿ってプレミアムタイヤ事業と連動し、リトレッドを中核としたトラック・バス用タイヤ向けタイヤセントリックソリューション事業の強化をグローバルで推進している。その中心となる米国においては、ブリヂストングループのリトレッド業界のリーディングカンパニーであるバンダグ社を通じて高品質なリトレッドタイヤを数多くの運送事業者に提供。全米をカバーするサービス拠点と連携して強固なソリューションの基盤を築いている。今回の生産能力増強は、その強固な基盤をより強化し、さらなる成長を実現するための取り組みとして実施される。革新的タイヤ基盤技術〝ENLITEN(エンライトン)〟を商品ならびにビジネスモデルとして価値を拡大し「ENLITENビジネス戦略」として進化。トラック・バス用タイヤについては〝循環ビジネス時代の新たなプレミアム〟として、リトレッドと連携を深めることで、タイヤ一本一本を使い切り、タイヤの価値を最大化する循環ビジネスモデルの構築を目指している。

エンライトンとはタイヤの環境性能と運動性能を両立する基盤技術で、タイヤ技術としてのみならず、ENLITENビジネス戦略として、ビジネス成長と環境負荷の低減、顧客の使用条件に合わせてカスタマイズしたタイヤ性能の向上とバリューチェーン全体の効率化による生産性・経済性の向上といった二律背反の価値を同時に創出する。

〝断トツ商品〟とリトレッドを連動し、メンテナンス・サービスを含めて、顧客の使用条件に合わせてタイヤを安全に、長く、うまく、効率的に使用することができるビジネスモデルを構築。運送事業者の工数、トータルコストの最適化に加え、資源生産性の向上やCO2排出量削減などの環境面にも貢献していく。同社グループは、リトレッド事業の強化を通じて、社会価値・顧客価値を両立させながら競争優位性を獲得していく。

【アビレーン工場概要】
▽所在地=米・テキサス州
▽設立年=1971年
▽建屋面積=約1万8500㎡
▽従業員数=約200人(22年9月時点)
▽生産品目=トラック・バス用タイヤのリトレッド用部材