2022年10月15日

デンカ
窒化ケイ素の生産能力を約1・5倍増強

xEV用途への供給体制強化

デンカ(今井俊夫社長)は、環境・エネルギー分野のさらなる成長を目的として、福岡県大牟田市の大牟田工場における窒化ケイ素(粉体)に新たな設備投資を決定した。2023年前半に稼働を予定している設備増強分からさらに約1・5倍増の追加増産投資となる。大牟田工場の窒化ケイ素(粉体)の製造設備の増設を行い、稼働時期は25年を予定している。

同社の窒化ケイ素は独自の高温焼成技術や窒化技術により、熱伝導性に優れ、高強度、高耐熱および軽量化に優れていることから、要求性能が厳しい車載用途において高い評価を獲得。電動化車両(xEV)市場拡大に伴い、インバーター向け放熱基板用途として需要が急増している状況に加え、モーター用ベアリング用途での電食対策として、従来素材からセラミックスへの転換が進展している。同用途においてもさらに需要が増える見通しとなっており、安定的な供給体制の確保が急務となっていることから追加増産投資を決めた。同社は、窒化ケイ素のトップメーカーとして、能力増強によって供給体制をさらに強化する。

同社ではxEV・5Gを中心とした環境・エネルギー分野を事業戦略における重点分野の一つとして位置付けており、窒化ケイ素をはじめとする機能性セラミックスへの戦略投資を積極的に行っている。