2022年10月25日

【ホース・チューブ・継手特集】
東拓工業

風力発電向けは増加傾向
原材料の確保も課題

東拓工業の2022年3月期の業績は、前期比で微増となった。今期も第1四半期から6カ月を経て期半ばを迎えたが、この8月までの実績については、売り上げは前年同期より2ケタ増となったものの、この伸び率は、苦渋の選択として実施した価格改定による上乗せ分が含まれており、数量ベースで測れば1ケタ増という状況で推移している。

カテゴリー別では、工業用ホースは半導体関連業界の活況や、土木向けの大口径品種の特需などもあって好調な状態が継続した。電設資材は公共および民間工事の需要が振るわなかったものの、前年並みの実績を維持した。土木資材については近年の災害関連向けの案件によって需要は堅調に推移しており、今期の上期もそうした需要環境が継続していることから好調な状況が続いている。

下期についても、工業用ホースは半導体関連業界の活況は継続し、この分野に関連する製品の需要は堅調に推移するものと予測。その他の需要も、例年の水準並み以上となる見通しを立てている。メーカーを取り巻く環境としては生産コストの上昇という課題が深刻化、やむを得ない選択として同社でも工業用ホース、電設資材、土木資材の価格改定の実施に踏み切った。電設資材の下期についてはこうした製品値上げの浸透が進むことで、健全な事業運営の下で業績の向上に取り組む。しかしながら、太陽光発電向けの需要が一巡していることなどもあって、販売においては減少を強いられるものと予想している。その一方で、風力発電向けは増加する傾向で推移。各地で広がりを見せている無電柱化事業についても、国・自治体よって需要が拡大しつつあり、同社としても有望な事業案件として需要獲得に力を注いでいる。土木資材については、喫緊の課題となっている新型コロナウイルス感染症への対策もあって、予算面において公共投資向けはマイナスに影響が及ぶと想定。しかしながら、災害対策事業の優先は継続されるものと見ており、同社としてはそうした案件について遺漏のないよう取り組んでいく。

メーカーの事業展開において、大きな課題となっている製造コストの上昇に対して、同社としてはこれまで諸経費の削減を行い、コストダウンによって課題解消に向けて尽力。しかしながら度重なる原料およびユーティリティコストの高騰は、自社における吸収可能なレベルをはるかに超えている。顧客への供給責任を果たし、健全な企業運営を継続していくための選択肢として、同社としてもやむなく価格改定に踏み切った。原材料価格の高騰は、需給バランスのひっ迫に端を発していることから、原材料の確保という課題も挙がっている。同社としても、塩ビやポリエチレンなどといった主原料における高騰だけでなく、原料の品薄による納期の不安定化といった新たな懸念材料も抱えている。主原料だけでなく、付属部品などにおいても原材料の入手不安定による影響を受けつつも、適正な納期対応に努めている。物流も宅配向け需要に押され、才数の大きな搬送品は敬遠される傾向にあることから、同社としても対応を図る必要性に迫られている。

物流面については、燃料高騰分の値上げや物流業界の2024年問題(働き方改革関連法の影響)によって、運賃が一段と上昇する事態も念頭に置いて対応を模索。代理店との役割分担を協議しながら、今後の物流に対応していく方向を選択肢に置いている。同社としては厳しい事業環境にあっても、困難な課題を解消していくことによって新たな道を切り開き、事業の成長に向けた取り組みを今後も全力で推し進める。