2022年11月15日

島津テクノリサーチ
自動車業界向け受託ラボ開設

迅速な受託分析サービス提供へ

島津製作所の受託分析子会社である島津テクノリサーチ(所在地・京都市中京区、福永秀朗社長)は、11月9日に自動車業界向け受託試験に特化した中部事業所「Automotive Testing Laboratory」(以下、ATL)を愛知県刈谷市に開所した。ATLは延べ床面積1100平方㍍を有し、材料解析・強度試験・非破壊試験など、自動車および自動車部品メーカーが求める各種試験に対応する。自動車関連企業の拠点が集積する中部エリアにおいて、最新の分析計測装置による迅速な試験の提供を行っていく。

自動車を取り巻く技術は、安全性・快適性・環境性能の向上を目的に日々進化している。部品製造でも、信頼性の高い部品の効率的な生産技術が重要となっている。これらに伴い、自動車の各種評価においてさらに高度な分析・検査・試験が求められている。島津テクノリサーチでは、長きにわたり安全性認証にかかわる受託試験・測定サービスを展開してきた。

今回、開所したATLが所在する愛知県刈谷市周辺には自動車関連企業の拠点が多く存在している。しかし、近隣に受託分析機関が少なく、これまで京都市の本社までサンプルが持ち込まれていた。ATLの開所によって依頼当日の測定など、迅速な試験が可能となる。

ATLでは、材料解析や強度試験、非破壊検査などに対応可能。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や複合材料の観察が可能なマイクロフォーカスX線CTシステム・高速衝撃試験機、部品性能評価・品質管理に用いられる精密万能試験機・疲労試験機など最新の機器が取りそろえられている。加えて、より実装時に近い環境を再現できる恒温槽、材料のひずみを三次元でとらえるデジタル画像相関法(DIC)用高速ビデオカメラなど、周辺機材も充実させ、研究開発から品質保証まであらゆる工程の測定業務に対応する。

今後、EV(電気自動車)・FCV(燃料電池自動車)向け電池や複合材料の開発需要は高まると見られ、中部事業所ATLでも順次、試験装置の増設が予定されていることから、島津テクノリサーチでは2023年度のATLの売上高1億円を目指している。

島津テクノリサーチおよび島津製作所は、信頼できるデータの迅速な提供を通じて、自動車業界の課題解決やクリーンエネルギー技術の普及に貢献していく。