2022年12月20日

日本ゼオン
耐熱・耐圧マイクロ中空粒子開発

2024年度の量産化を目指す

日本ゼオン(田中公章社長)は、新たに耐熱・耐圧マイクロ中空粒子を開発した。今回開発した中空粒子は形状維持が可能で、小粒径でシャープな粒子径分布で低比重といった特長を備えており、構造部材の軽量化への貢献や断熱・保温材への応用、低誘電特性が求められる電子回路基板やミリ波レーダー用基板などへの展開が期待される材料として注目を集めている。

今回開発した耐熱・耐圧マイクロ中空粒子は粒子径が2~20㍃㍍、空隙率は60~80%に制御が可能な白色粒子、中空粒子のシェルは架橋構造のポリマーから構成。そのため、ポリマー自体が耐熱性、耐圧性、耐溶剤性を備えていることから、各種成形法や熱硬化性樹脂中でも中空形状の維持を可能としている。中心粒子径を2~20㍃㍍で制御が可能であり、加えてシャープな粒子径分布を展開。空隙率60~80%の空気層の制御が可能で、シェルが樹脂であることから、無機系と比べて低比重となっている。

これらの特長から、各種構造部材の軽量化への貢献に加え、ダクト、ホース、建材等の断熱・保温材としての用途展開が見込まれている。熱硬化性樹脂の中でも空隙を維持するため、添加樹脂の低誘電化、低誘電正接化が確認できており、低誘電特性が求められる、電子回路基板やミリ波レーダー用基板などへの展開も期待されている。

現時点では研究開発品ながら、2024年度の量産化を目指し、開発を進めている。

開発品は12月7~9日に千葉県の幕張メッセで開催された高機能素材Week内の「第11回プラスチックジャパン高機能プラスチック展」で紹介された。同展では新開発品を展示するとともに、展示会に先立ち同社ウェブサイト特設ページにおいて、新開発品の紹介も行われた。