2022年12月25日

日本ゼオン
デジタル人材の育成強化

特化企業との本格的な協業を開始

日本ゼオン(田中公章社長)と、ベンチャー企業のアイデミー(本社・東京都千代田区、石川聡彦社長CEO)は、資本提携契約を締結した。本提携を受けて両社は、日本ゼオンにおけるデータ活用人材の育成および日本ゼオンが保有する材料開発や研究に関する実験データを活用したマテリアルズ・インフォマティクス(MI=ビッグデータ、AIなどのデジタル技術の活用により、材料の製造方法を予測するなど、材料開発の効率化を図る取り組み)領域での本格的な協業を開始する。さらに、両社は日本ゼオンが保有する材料開発と研究に関する知見や実験データと、アイデミーの強みである教育研修から事業定義・試作品開発・実運用まで一気通貫で提供するDX推進ソリューションを掛け合わせ、日本ゼオンでの活用にとどまらず、素材から最終製品に至るサプライチェーン全体における効率的で持続可能な製造・開発の実現に取り組み、産業構造改革を目指す。

アイデミーは2014年の設立以降、〝先端技術を、経済実装する。〟をミッションに掲げ、デジタル人材の育成を軸とした「デジタル変革伴走型支援事業」を展開。DX/GX人材を育成し、外的環境の変化に対応できる強い組織づくりを支援する「アイデミービジネス」、組織開発・人材育成・課題選定・PoC・開発・運用を一貫してサポートする顧客伴走型支援サービス「モデロイ」を、法人を対象に提供。現在、法人向けを中心にサービスを展開しており、企業のAI/DXプロジェクト、GXプロジェクトの内製化に向けてDX/GX研修から事業定義・試作品開発・実運用まで一気通貫で支援しており、事業を通じて〝先端技術が社会実装されるまでの壁〟を取り除くべく尽力している。

21年度よりスタートした中期経営計画においても、全社的なDXの推進やMIの活用に注力している日本ゼオンは、20年9月よりアイデミーからサービスの提供を受けながら、データ活用人材の育成や実験データの構造化などの課題に取り組んできた。今回の協業では、日本ゼオンが保有する材料開発や研究に関する実験データを基に、データを構造化するためのデータベース、アプリケーション等の管理システムや蓄積したデータを利活用する。そして、原材料や配合割合から素材加工メーカーでの製造結果を予測するMIの基礎モデルの開発を共同で進める体制の構築を目指す。

両社は、日本ゼオンが目指す「独創的な技術・製品・サービスの提供を通じ、『持続可能な地球』と『安心で快適な人々のくらし』に貢献する」というビジョンの実現に向け、必要となるDX推進における協業を進めていく。

MI領域における協業内容は①「データを一元管理するためのデータ活用基盤の構築」②「素材加工メーカーでの開発効率を高めるためのMI基礎モデル開発と改善によるデータ活用の価値証明」③「DX推進に不可欠なデータ活用人材の全社的な育成」の3つの柱で、取り組みを推し進める。

なお、この協業においてシナジーを発揮するためには、より強固な連携関係を構築していくことが重要であると判断し、アイデミーの発行済み株式の一部を日本ゼオンが取得し、資本提携契約を締結した。