2023年1月15日

新年インタビュー
東部工業用ゴム製品卸商業組合

活気あふれる運営
行事開催復活を目標に活動

【2022年を振り返って】
昨年はコロナ禍が3年目に入る中、モノ不足、値上げという3つの懸念を抱きながらのスタートだった。さらにはロシアによるウクライナ侵攻、年度後半に向けてかつてないペースで円安が進み、そうしたさまざまな事案が絡み合って生じた変化が社会と企業活動に大きな影響を与えた一年であった。需要環境を見渡すと2021年からの市場の回復基調は継続しており、自社のお客様におかれても大変忙しい状況が続いている。しかしながら、一方で長らく続くモノ不足は企業の生産活動に影を落としており、機械メーカーは半導体をはじめ各種の電子部品、モーター、インバーターなどの品薄によって稼働が停滞し、それに伴って搬送ベルトやゴムホースなどの需要も減少するといった傾向も年度後半では見受けられるようになってきた。そのような情勢はベルト・ホース部会ならびに工業用品部会が実施した〝景況観測調査〟にも反映されており、四半期ごとの需要動向を見ると1―3月までは前年実績を上回って好調に推移していたものが4―6月、7―9月と徐々に陰りが出てきた情勢が見てとれる。原材料ひっ迫が引き起こしたゴム製品の値上げについては、あらゆる製品が値上がっている昨今、お客様のご理解を得やすい環境ではあったが、販売価格が上がっても量が減少したことで昨年比横ばい、もしくは若干のプラス程度に落ち着くという実情もあったようだ。

現状においては先行きの不透明感をぬぐいきれないことも事実ではあるが、需要環境を見渡すと決して悪くはないと感じている。モノ不足の問題も緩和の動きが強まっていることから、今後のさらなる改善に期待して明るい気持ちで新年を迎えた。

【組合活動について】
組合行事を通して事業に役立つ情報交換の場を提供していくことが組合の大きな使命であり、2021年の5月に理事長職を拝命して以来、それぞれの行事で工夫をしながら開催可能な行事を実施していくという方針で進めてきた。昨年、年初の商工新年会は感染拡大により残念ながら中止となったが、理事会や各部会についてはオンラインと対面の〝ハイブリッド〟形式で開催した。対面の参加が大人数に及ぶ場合は比較的規模の大きい会議室を借り、密を避ける形で休むことなく開催している。また各種の勉強会、セミナーなどにおいてもハイブリッドで進めており、7月19日に開いたゴムの勉強会では会場に50人、オンラインでは200人という過去に例を見ない多数の参加を得た。夏場の当組合伝統の野球大会は社会情勢を鑑みて初日のみで中止したが、秋の工場見学会は開催にこぎ着け、久しぶりに対面で勉強し、また懇親を図ることができて有意義だった。今年も昨年は開催することが叶わなかった行事を復活させることを目標に、一人でも多くの方に参加して頂いて活気ある活動を目指していきたい。

【今後の活動予定については】
今年も参加者の安全面への配慮を絶対条件として、引き続き開催できる行事を実施していく。まずは1月25日に商工新年会を予定しており、例年200人を超える参加者が集うため、会場は帝国ホテルの大きな会場を押さえている。当日は着席形式で祝宴では会場内の移動を控えて頂くが、新たな年の始まりを祝い合う場なので、自由にあいさつできる時間も設けたい。また6月には隔年開催で実施している商品展示会も予定している。一昨年も感染対策に努めながら開催することができたが、あれだけ多くの賛助会員メーカーも参加して情報発信できる取り組みはなかなかないので、今年も何としても開催にこぎ着けたいと考えている。夏場の野球大会も開催する方向で検討しており、無観客開催でもまずは選手に楽しんでもらうことを主眼としたい。そのほかセミナー、勉強会なども基本的にハイブリッドでの開催を継続していく。

【今後の課題を挙げるとすれば】
昨年以来取り組んできたハイブリッドによる開催は、セミナー関連も大変盛況なのでこれからも中身の検討を重ねながらより充実させていきたい。将来的には、より多くの方に参加してもらうため、さらに魅力ある行事を企画していくことも必要だと考えている。長きにわたる組合の伝統と歴史を継承しながらも時代にマッチした組合活動を心掛けていきたい。

【新年の抱負を】
昨年は組合を含めてゴムの業界が前向きに動き出せた第一歩の年であったととらえている。今年もそういった流れを停滞させることなく、さらに活気あふれる運営ができる一年にしていきたい。世の中の大きな変化の中でできなくなったこともあるが、今だからこそ新たにできることもある。それを模索しながら行動に移していくことを念頭に推進したい。