西部工業用ゴム製品卸商業組合
商工新年互礼会を開催
組合員、賛助会員約130人出席
西部工業用ゴム製品卸商業組合(小島孝彦理事長)は1月17日、大阪市北区のリーガロイヤルホテルにおいて「令和5年工業用ゴム商工新年互礼会」を開催した。今回は大阪ゴム商業会(森孝裕会長)との共催で実施、組合員、賛助会員など約130人が祝宴に出席し、新しい年の門出を祝った。
主催者を代表してあいさつに立った小島理事長(角一化成社長)は「昨年はパンデミック、ロックダウン、原材料の高騰、インフレなど、予想もしなかったさまざまな試練に相次いでさらされた。昨年の事情を振り返ると〝お世話になりました〟というより、むしろ〝お疲れ様でした〟というあいさつの方がふさわしいとさえ思う。ウィズコロナが浸透しており、えびす祭りのにぎわいも例年に近い状態に戻っていたが、福笹の売れ行きが伸び悩んでいるという話を耳にすると、神事においても不況の波が押し寄せている状況がうかがえた。今年はウサギ年であり、慣用句として〝脱兎のごとく〟という言葉がよく知られている。経済的には製品の値上げ要請が間断なく押し寄せるなど、頭痛のタネは尽きることがないが、こればかりは脱兎のごとく逃げ出すことはできない。ユーザーさんに対しては丁寧で誠実にお願いすることで、逆に業界としての品位の高さを印象付けていきたい。世間では賃上げを促す風潮が広がっているが、〝ウサギの逆立ちであっても〟そうした課題に対しても目をそらすことはできない。ウサギは耳が長く、逆立ちによって耳が地に付くことで〝耳が痛い〟問題だが、経営者の責任でもあり、真しに向き合っていく必要がある。人材育成も重要な項目であるが、新入社員はコロナ禍の影響で他人とのコミュニケーションを苦手とする傾向がある。〝ウサギの経文(意味が伝わらない)〟という新たな局面に置かれることもあると思うが、人材不足の壁を乗り越え、新たに加わった新入社員を業界の宝として大切に育てていきたい。ウサギを悪い例にばかり例えてきたが、今年は〝ウサギの上り坂〟という流れの年でもある。後足の方が長く、脚力も強いウサギは逆境である上り坂でも力強く跳ね上がっていく。今年はウサギのように上り坂をぴょんぴょん跳ね上がっていきたい」と抱負を述べた。
メーカーを代表し、あいさつに立った大阪ゴム工業会の十川利男副会長(十川ゴム社長)は「昨年は、まさに激動の一年であり、世界経済にも大きな影を落とした。新型コロナウイルス感染症の感染拡大も収束を迎えてはいないが、ウィズコロナに舵が切られた以上、今年は全力で仕事に取り組み、明るい年にしていきたい。昨年を象徴する漢字の一文字は〝戦〟であったが、これは2001年にも選ばれている。アメリカの同時多発テロに端を発した戦乱を背景としたものだが、今年も戦争やパンデミックといったリスク要因を抱えている。しかしながらポジティブで前向きな気持ちは大切であり、日本の国のポテンシャルを信じ、われわれとしては商工がともに手を取り合って明るい一年にしていきたい」と意気込みを述べた。
乾杯の音頭を取った西部ゴム商組の糸井宏之副理事長(千歳商事社長)は「ウサギはかつてより一匹ではなく一羽と数えられてきた。生類憐みの令により、4本足の動物の食用が禁じられていたことから、庶民と違って僧籍にある立場の者は特に食用は禁忌とされていた。当時は動物性タンパク質源が希少であり、ウサギは貴重な存在で、その食用を絶やすと健康面にも支障をきたしかねない。窮地に立たされた僧侶たちは、2本足の鳥などは例外とされていたことから、ウサギを鳥として食用していた。われわれの業界も窮地に立たされており、事態を乗り切るためには知恵を振り絞る必要がある。コロナ禍においては、若い世代が先頭に立って難局を乗り切ってきたこともあり、われわれが一丸となって知恵を出し合い、今後の難局も乗り越えていきたい」と述べ、乾杯のグラスを高く掲げた。
宴たけなわで、今年の年男が紹介され、総勢12人が檀上に整列。代表者の一本締めによって祝宴の幕が降ろされた。