共和ゴム
防錆対策用品伸長
インフラ老朽化問題で
創業1971年のゴム製品、プラスチック製品の製造会社である共和ゴム(本社・大阪府枚方市、寺阪剛社長)は、インフラ長寿命化対策商品である高力ボルト・超高力ボルト用のボルトヘッド側の防錆キャップに対する問い合わせが近況において急増、以前に対して約3倍に増加し、同社ではこうしたニーズに対する開発への取り組みに大きな力を注いだ。同社ではヘッド側の防錆キャップの開発を手掛けてきたが、本年1月に製品化に成功した。
現在、高度成長期に建設されたインフラが50年以上経過し、道路や橋などインフラの老朽化が急速に進んでいることから、その対策が社会問題として深刻化。政府ではそうした状況への対策費として114兆3812億円の予算案を23年度に閣議決定し、高水準の公共事業関係費を維持し、国土強じん化に重点的に取り組む国家としての方針を発表した。国土強じん化とは、平成23年に発生した東日本大震災を受け、平成25年に施行された国土強靱化基本法に基づき、大規模な災害からの被害の最小化に向けた重点施策を盛り込んだ計画のことで、22年度の当初予算を6兆7848億円上回った額となり、初めて110兆円を超えた。こうした流れもあって、インフラ老朽化対策による長寿命化、防災・減災対策に対する注目度が一段と高まっている。
同社では、こういったニーズにこたえる目的から、ヘッド側の防錆キャップの開発に取り組み、本年1月に製品化に成功。CCT試験(複合サイクル試験)200サイクルをクリアし、さびを防ぐ効果が実証され、特許も申請している。ボルト側には「まもるくん」、ヘッド側には「ヘッドキャップ」を、それぞれ双方に取り付けることにより一層の防錆効果が期待される。高力ボルト・超高力ボルト用ヘッドキャップには耐候性、耐久性に優れたゴム材質を選定、ボルトのヘッド側に被せることで優れた防錆性を発揮し、点検時に外せて再度装着が可能となっている。連結タイプであることから遅れ破壊(静的破壊)によるボルトの落下を防ぐ。
既にさびている高力ボルト・超高力ボルトに対しては、ヘッド側に被せることで、さびの進行を防止。本体がゴム製であることから無塗装、メッキ仕様、塗装の3タイプに対応可能。市場ニーズにこたえた製品の投入により、こうした目的に基づいた需要が増加、売り上げも前年比200%増を達成した。今後の展開としては、防災・減災、インフラ長寿命化の対策品として、これからも需要は拡大し、問い合わせが増加し続けていくと同社では予測。まず、3年以内に売り上げ2000万円達成を目標に掲げ、拡販活動に力を注いでいく。