横浜ゴム
高い負荷能力のＨＬＣタイヤ生産・販売

横浜ゴム（山石昌孝社長）は大容量バッテリーを搭載するＥＶ、ハイブリッドカーや大型ＳＵＶなど高重量車両に対応する目的から、高い負荷能力を持つＨＬＣ（ハイロードキャパシティ）タイヤの生産・販売を開始した。新車装着（ＯＥ）用およびその補修向けを先行して進めており、将来的には市場ニーズに合わせて補修市場向け商品も視野に展開を進めていく。

ＨＬＣタイヤは、空気圧および負荷能力をスタンダード規格より高く設定した従来のＸＬ（エクストラロード）規格のタイヤでは、負荷能力と諸性能を高度に保持することが困難である高重量車両の増加を受け、欧州タイヤおよびリム技術機構が定めた、タイヤとリムに関する標準規格であるＥＴＲＴＯ規格（Ｅｕｒｏｐｅａｎ　Ｔｙｒｅ　ａｎｄ　Ｒｉｍ　Ｔｅｃｈｎｉｃａｌ　Ｏｒｇａｎｉｚａｔｉｏｎ）の乗用車用タイヤカテゴリーにおいて、従来のＸＬタイヤより一段と高い負荷能力を持つ新たなタイヤサイズとして設定された。２７５／３５Ｒ２３サイズにおける負荷能力を比較した場合、従来のＸＬタイヤが９００㌔㌘（ロードインデックス１０４）であるのに対し、ＨＬＣタイヤでは１０００㌔㌘（同１０８）となる。なお、ＨＬＣタイヤはタイヤのサイズ表示の先頭に「ＨＬ」と表示される。

ＨＬＣタイヤの設計には、高い荷重耐久性を持ちながら静粛性や操縦安定性を確保する高度な技術が不可欠。同社は高荷重に起因する故障に対するシミュレーションを繰り返し、通常のタイヤに比べ高荷重時の発熱量とひずみが少なく、荷重耐久性と他性能とのバランスを実現するＨＬＣタイヤ専用のプロファイルを開発した。

横浜ゴムは近年加速している自動車の電動化や人気の高い大型ＳＵＶへの対応を積極的に推進、高負荷能力をはじめ、さまざまな車両特性に合わせたタイヤ開発を進めている。

横浜ゴムは中期経営計画「Ｙｏｋｏｈａｍａ　Ｔｒａｎｓｆｏｒｍａｔｉｏｎ２０２３」のタイヤ消費財事業において、高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ＡＤＶＡＮ（アドバン）」、ＳＵＶ・ピックアップトラック用タイヤブランド「ＧＥＯＬＡＮＤＡＲ（ジオランダー）」、そしてウィンタータイヤの販売構成比率最大化を掲げ、ＡＤＶＡＮおよびＧＥＯＬＡＮＤＡＲの新車装着拡大や商品開発の強化に取り組んでいる。