住友ゴム工業
欧州で市販用EVタイヤ発売
中国向けに続き最高の低電費性能
住友ゴム工業(山本悟社長)は、同社最高レベルの低燃費(電費)性能を誇る市販用EVタイヤFALKEN(ファルケン)「e.ZIEX(イージークス)」を、EV化が急速に進む欧州市場で今月から発売する。e.ZIEXは昨年中国向けに販売を開始したDUNLOP(ダンロップ)「e.SPORT MAXX(イースポーツマックス)」に次ぐ同社2つ目の市販用EVタイヤとなる。
EVは一回の充電で走ることのできる航続距離を伸ばす目的から、タイヤに求められる性能として、転がり抵抗の低減により、電費を抑えることが不可欠。EVはバッテリーの搭載により車両重量が大幅に上がっており、タイヤにかかる負荷も高くなっている。EVはエンジン音がしないことから、路面やタイヤからのノイズを感じやすいと言われている。
こういったEVの特徴に対応する目的から、e.ZIEXは同社独自の材料開発技術である〝ADVANCED 4D NANO DESIGN〟を使用。低燃費性能とグリップ力の両方を向上させるゴムの配合を開発した。サイドウォールに近いショルダー部分のトレッドの幅を狭めタイヤの輪郭を最適化、接地圧を均等化することで耐荷重性能を向上させている。同社独自の〝サイレントコア(特殊吸音スポンジ)〟を搭載することによって優れた静粛性を実現している。
世界的な環境意識の高まりに伴い、各地でEV市場に注目が集中。同社は、特にEVの販売が急拡大する中国市場に向けて、同社史上最高レベルの低燃費を誇るe.SPORT MAXXを発売した。同様に環境意識の高い欧州においても、市場の期待にこたえていく。欧州市場でより求められるウェット路面での走行性を強化し、地域に合わせた製品づくりをすることによっても市場のニーズにこたえる。
同社では、2027年には転がり抵抗30%低減、20%の軽量化(19年比)を目標とした次のEVタイヤの開発を推進している。