積水化学工業
生産能力増強決定
ポリビニルアセタール樹脂
積水化学工業(加藤敬太社長)の高機能プラスチックスカンパニーは、同社滋賀水口工場(滋賀県甲賀市)においてセラミックバインダー向けの需要増加に対応するため、ポリビニルアセタール樹脂の生産能力を増強することを決定した。これにより、現生産能力の約2割増となる。増産開始は2025年度第4四半期(26年1~3月)に予定されている。
高機能プラスチックスカンパニーの機能樹脂事業部では、ポリビニルアセタール樹脂事業をグローバルに展開しており、各種バインダー、接着剤、インク、塗料などの幅広い用途で使用されている。同社独自の生産技術によって品種の幅広いラインアップとロット間の高い安定性を実現し、特に電子部品向けセラミックバインダー用途では世界トップシェアを誇る。
近年、パソコン、スマートフォンなどの電子機器用途に加えてEV車などをはじめとした車載電子部品の増加に伴い、その需要は急速に拡大している。今後も、エレクトロニクス産業のみならず、自動車産業においても市場伸長が継続的に見込まれていることから、設備増設に向けて約20億円を投じ、安定的な供給体制の構築を目指す。
機能樹脂事業は、ポリビニルアセタール樹脂「エスレックB/K」のほか、ポリビニルアルコール樹脂「SELVOL(セルボール)」、アクリル系発泡微粒子「ADVANCELL(アドバンセル)」の3製品群を、日本、米国2拠点、欧州の世界5拠点で生産を行っており、グローバルに事業を展開している。その用途は幅広く、家電やモバイル端末などのエレクトロニクス、自動車や建築といったさまざまな分野で使用されており、高い品質により、顧客製品の安全性向上や機能性、生産性の改善に寄与するなど高い評価を受けている。