2023年7月10日

三井化学
PS事業統合会社設立

ICT事業を分割、承継

三井化学(橋本修社長)は、同社100%子会社である三井化学東セロ(松坂繁治社長)のプロテクトフィルム事業および産業用フィルム・シート事業(以下、ICT事業)を分割し、新たに設立する100%子会社に承継させることとした(以下、本承継)。なお、パッケージソリューション事業(以下、PS事業)については本承継の対象外となる。

一方、PS事業については三井化学東セロが存続会社となり、レンゴー(本社・大阪市北区、川本洋祐社長)とトクヤマ(本社・東京都千代田区、横田浩社長)の合弁会社であるサン・トックス(本社・東京都台東区、飯嶋克孝社長)を吸収合併により経営統合し、PS事業統合会社を設立する。

また、三井化学から三井化学東セロの一部株式をレンゴーに譲渡して持分調整を行う(株式譲渡価額108億5000万円の予定)ことにより、三井化学東セロはレンゴーの子会社(三井化学の持分法関連会社)となる。三井化学は株主として引き続きPS事業統合会社の経営に参画する。

三井化学は、長期経営計画「VISION2030」に基づき、ユニークなICTソリューション事業を創造・拡大し、基本戦略である事業ポートフォリオ変革における第3の柱へ成長させることを目指している。ICTソリューション事業戦略においては「半導体・実装ソリューション」「イメージングソリューション」「電池材料ソリューション」「コンバーティングソリューション」の4つの事業領域を設定し、それぞれ強化を図っている。その中でも半導体・実装ソリューションでは、半導体技術ロードマップに事業戦略を整合させ、グループ総力で新事業・新製品を創出することを目指している。そこで中長期的な拡大と継続的な技術革新が見込まれる半導体関連市場において、三井化学グループとしてのシナジーをこれまで以上に追求していくとともに迅速な意思決定を実現するため、三井化学東セロのICT事業を分割して運営していくこととした。

一方、三井化学東セロの主力事業であるPS事業については、プラスチック包装材業界を取り巻く環境が急速に変化する中、三井化学東セロが今後の事業環境に柔軟に対応し、持続的な成長戦略を実現するため、三井化学は、海外を含む軟包装事業に積極的に取り組み、強固な事業基盤を確立してきたレンゴーとPS事業における協業を模索し、トクヤマを含めて議論を行ってきた。その結果、三井化学東セロの高収益化、環境対応型製品の開発加速、海外での事業拡大を推進する観点から、三井化学東セロのPS事業とレンゴー子会社のサン・トックスを経営統合し、運営していくことが最善との結論に至った。

【ICT事業新会社概要】
▽新商号=三井化学ICTマテリア株式会社
▽本社所在地=東京都中央区八重洲
▽営業拠点=東京(中央区八重洲)、台灣東喜璐機能膜股份(台湾)、MC TOHCELLO(MALAYSIA)(マレーシア)
▽製造拠点=茨城工場(茨城県古河市)、名古屋工場(愛知県名古屋市)、台灣東喜璐機能膜股份(台湾)、MCTI SCIENTEX SOLAR(マレーシア)
▽事業内容=半導体・電材・光学分野に使用されるプロテクトフィルム、電子部品製造工程用フィルムなどの産業用フィルム・シートおよび太陽電池用封止シートの製造・販売
▽従業員人数=約350人
▽吸収分割日=24年4月1日(予定)

 【PS事業統合会社概要】
▽新商号=アールエム東セロ株式会社
▽本社所在地=東京都千代田区神田
▽営業拠点=東京(千代田区神田、台東区上野)、名古屋(愛知県名古屋市)、大阪(大阪府大阪市)、四国(香川県高松市)、福岡(福岡県福岡市)、札幌(北海道札幌市)、SIAM TOHCELLO(タイ)
▽製造・その他の拠点=茨城工場(茨城県古河市)、関東工場(茨城県潮来市)、浜松工場(静岡県浜松市)、安城工場(愛知県安城市)、勝田工場(茨城県ひたちなか市)、徳山工場(山口県周南市)、四国トーセロ(徳島県徳島市)、トーセロスリッター(栃木県下都賀郡野木町)、トーセロ・ロジスティクス(同)、SIAM TOHCELLO(タイ)
▽事業内容=食品・飲料・日用品・梱包資材等に使用される包装用フィルム、発泡シートの製造・販売
▽従業員数=約1230人
▽吸収合併日=24年4月1日(予定)