2023年8月5日

住友ゴム工業
白河工場で説明会、イベント

FH2R製水素活用

住友ゴム工業(山本悟社長)は、同社の白河工場(福島県白河市、河合亨工場長)において、水素活用の実証実験に向けた取り組みを行っているが今回、福島県浪江町の再生可能エネルギーを利用した水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」の水素を1カ月間にわたって供給を受けることが決まり7月24日、同工場に報道陣を招いて詳細説明を行った。同日、近隣の小学生を招き「夏休みわくわく寺子屋in白河工場」および同社社員向けのトークショーも開催。同社が取り組むカーボンニュートラル推進事業を中心に、多彩な内容のイベントを実施した。

同社では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(斎藤保理事長、以下、NEDO)の助成事業として支援を受け、水素活用の実証実験に向けた取り組みを実施。FH2Rは、世界有数規模となる10㍋㍗の水素製造装置を備えており、再生可能エネルギーの電力を最大限利用するとともにクリーンで低コストによる水素製造技術の確立を目指している。同社におけるFH2R製水素の活用は、少量の供給を受けた本年4月に続き2度目となり、今回は7月24日から1カ月間にわたって供給を受けており、製造時(Scope1、2)カーボンニュートラルを達成した量産タイヤの生産に活用される。

同社では、サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」を掲げており、2050年までにScope1、2におけるカーボンニュートラルの実現を目指している。本年1月23日には、NEDOの助成事業によるサポートや再生可能エネルギーや水素の活用を推進する福島県からも支援を受けながら、水素エネルギーと太陽光発電の自然エネルギーを活用した日本初の製造時(Scope1、2)カーボンニュートラルを達成した量産タイヤの生産を開始している。同社では引き続き、水素利用における技術の確立と展開を目指すとともに、水素の製造や調達を含めて、産官連携の取り組みを進めていく。

イベント当日には、報道陣に向けて水素トレーラー見学のほか、タイヤ工場見学も実施。見学に際しては白河工場の河合工場長、モータースポーツ部の竹内二郎部長が出席、社外からのゲストとして同社がサポートしているSUPER GTで活躍中のNAKAJIMA RACINGの中嶋悟総監督、伊沢拓也、太田格之進の両選手を招き、メディア向けのコミュニケーション機会を設けたほか、社員・小学生向けの車両試乗会も実施した。招待した近隣の小学生に向けては、カーボンニュートラル授業を開講したほか、同工場の敷地内で繰り広げているGENKIの森を散策する体験を通じて、自然との触れ合いによって得られる楽しさに加え、同社の環境対応に向けた姿勢への理解を深めた。