2023年8月20日

ブリヂストン
東北大学と共同研究開始

ゴムのシミュレーション基盤技術

ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)は、東北大学(所在地・宮城県仙台市、大野英男総長)とともに、ゴムのシミュレーション基盤技術に関する共同研究を開始した。

今回の研究は、東北大学ソフトマテリアル研究拠点が社会実装を進める計測科学(センサー開発等により、物理量の正確な測定・計測を実現する工学。東北大学では、先端電子顕微鏡や次世代放射光を活用した取り組みを行っている)と計算科学(計算機を活用して科学技術上の問題解決を進める科学。東北大学では、原子や分子レベルのナノスケールから最終製品までの階層構造を包括的に複数のスケールでシミュレーション等を行っている)に、ブリヂストンが培ってきたゴムの知見を組み合わせることで、ゴムの分子・原子レベルでの計測と、物性の計算(シミュレーション)技術の向上を目指す。これにより、高レベルな解析を可能とする材料シミュレーション基盤技術を構築することで、行動や意思決定をデータの分析結果に基づいて行うようにするデータドリブンによって革新的な材料開発を実現していく。

東北大学は2020年8月に、ソフトマテリアルの社会実装の加速・拡大に資する目的から、東北大学の研究者と企業との産学連携を目指し、ソフトマテリアル研究拠点(拠点共同代表・寺内正己氏、陣内浩司氏)を設立。拠点では、現象を電子顕微鏡や放射光などで得られる複数視点の情報で扱うマルチモーダルな計測ネットワークを構築し、得られた計測データに基づいてAI技術、計算(シミュレーション)技術を用いたソフトマテリアルの機能予測を分子単位から高次構造までのマルチスケールの視点で行い、計測科学と計算科学の融合を図ることで企業ニーズにこたえるワンストップソリューションの提供を目指す。

ブリヂストンは、「ゴムを極める」「接地を極める」「モノづくりを極める」の3つの「極める」を軸に、技術イノベーションを加速。今回の共同研究により、ゴムの分子スケールからタイヤ挙動を予測評価する状況を実現し、材料開発の革新、効率化につなげることで、“ゴム・接地を極める”をさらに進化させていく。