2023年8月20日

住友理工
住友ゴム・住友電工と協業

ランザテック社と新技術開発推進

住友理工(清水和志社長)は、住友ゴム工業(山本悟社長)、住友電気工業(井上治社長)と協業して、サーキュラーエコノミーの実現に向けたリサイクル技術の開発に取り組む。

住友理工は昨年11月に、炭素回収・変換技術を有する米国のバイオ技術会社・LanzaTech Global(本社・米国イリノイ州、ドクタージェニファー・ホルムグレンCEO&Director、以下、ランザテック社)との共同開発契約の締結を発表。今回、この共同開発に住友ゴムおよび住友電工が参画することとなった。3社が協業してランザテック社との開発に取り組むことで、ゴム・樹脂・ウレタン・金属などの廃棄物のサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行に向けた新たな技術を確立し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなど、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速させていく。

今回の取り組みでは、原材料のサーキュラーエコノミーの実現に向けてもう一歩踏み出し、住友ゴム、住友電工とともに、ランザテック社との新技術の開発を推進する。ランザテック社が備えている「微生物による生合成技術」を活用し、同社製品などの廃棄物をガス化・ガス精製した後、微生物による生合成反応を経て、新たにゴム原料となるイソプレンを生産することを目指す。最終的には、原料メーカーとの協業を進め、イソプレンを再び、ゴム・樹脂として利用するリサイクル技術の確立も視野に入れている。加えて廃棄物をガス化する過程で回収した金属をリサイクルし、原材料として再利用する取り組みの検討を行っていく。

今回、3社によって協業をスタートさせることで、住友理工の製品・廃棄物に加え、住友ゴムのタイヤや住友電工のワイヤーハーネスなど、3社グループ全体の製品や廃棄物が対象となることから、循環型社会に向けて大きく進展することができると考えらえている。規模を拡大し、サーキュラーエコノミーへの取り組みを加速させる中で、3社の枠を超えた企業や組織との連携が進ちょくし、さらに循環の輪が広がっていくことが期待される。

ランザテック社は2005年に創業した低炭素燃料および化学物質の生産技術の開発と事業化を専門とする米国の技術プロバイダー。幅広い産業分野の排出ガスや合成ガスを使い、エタノールや化学物質を生産する独自の「ガス・ツー・リキッド」プラットフォームを確立。炭素循環社会の実現を目指している。