2023年8月20日

日本ゼオン
敦賀工場製造ライン増設完了

大型TV用光学フィルム

日本ゼオン(豊嶋哲也社長)は、福井県敦賀市で稼働させている同社の敦賀工場において、世界最大幅の大型TV用光学フィルム製造ラインの2系列目となる設備を竣工させた。今回の増設により、既存設備と合わせたTV向け位相差フィルムの生産能力を、トータル2万1900万平方㍍へと増強させた。

同社では、光学フィルム「ゼオノアフィルム」を、氷見二上工場と敦賀工場で製造。ゼオノアフィルムは、同社が独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を原料に用い、世界初となる溶融押出法により生産された光学フィルム。シクロオレフィンポリマーの特長である高い光学特性と優れた寸法安定性を備えており、大型TVやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止等の機能を持たせる、位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。

今回の投資は、液晶パネルの大型化に対応する目的から、世界最大幅となる2500㍉㍍幅フィルムの生産ラインであり、2020年4月より稼働した設備に続く2系列目となる。新ラインの生産能力は、1系列目と同じく年間5000万平方㍍となり、2系列合計で1億平方㍍、他拠点を含む既設能力と併せてTV向け位相差フィルムの生産能力はトータルで2億1900万平方㍍となる。

同社では、8月4日に現地において竣工式を執り行い、福井県および敦賀市ならびに周辺自治体から来賓を招待。加えて施工関係者、同社の豊嶋社長、川﨑洋輔敦賀工場長のほか、同社関係者を合わせて58人が参加した。