【2023年12月期決算】
横浜ゴム
過去最高の業績達成
次のステップへ着実に成長
横浜ゴム(山石昌孝社長)の売上収益は前期比14・5%増の9853億3300万円、事業利益は同41・4%増の991億2700万円、営業利益は同45・8%増の1003億5100万円、当期利益は同46・4%増の672億3400万円となり、過去最高の売上高、利益を達成した。事業利益率は2021~23年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation2023(YX2023)」の目標としていた10%超を達成。主力のタイヤ事業では、「ADVAN(アドバン)」「GEOLANDAR(ジオランダー)」をはじめとする高付加価値商品の拡販やMIX改善、値上げの浸透に努めたことで、原材料価格や物流費の改善に加えて為替円安も寄与し、「YX2023」の最終年度においては、この3年間において毎年過去最高の売り上げと事業利益を達成し、次のステップに向けての着実な成長を果たした。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前期比16・0%増の8748億6300万円、事業利益は同37・7%増の920億2600万円となり売上収益、事業利益ともに前期の実績を上回った。新車用タイヤの売上収益は、中国で日系自動車メーカーの販売不振による影響が継続、国内や北米では装着車種の販売が好調で、新規納入車種が増加したことによって前期を上回った。市販用タイヤの売上収益は、国内では夏用タイヤの販売が堅調に推移、海外では中国、インドなどといったアジア地域において販売を伸ばしたことで前年同期の実績を上回った。OHT(オフハイウェイタイヤ)は、YOHT(Yokohama Off―Highway Tires、旧ATG)の販売が欧州、北米の厳しい市場環境の継続によって伸び悩んだものの、5月に買収が完了したY―TWS(Yokohama―TWS、旧Trelleborg Wheel Systems)の業績が加わったことで、OHT全体の売上収益は前年を大きく上回った。
MB(マルチプル・ビジネス)事業の売上収益は同5・9%増の1018億8500万円、事業利益は同80・5%増の71億5500万円となった。ホース配管事業の売上収益は、建設機械向けなどの油圧ホースは需要低迷によって販売が振るわなかったものの、北米における自動車向けホースの堅調などにより前年並みとなった。工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトの販売が国内で大きく伸長、海洋商品や民間航空機向け補用品の販売が好調に推移し、前期を大きく上回った。
今期について同社では、新たに策定した中期経営計画「Yokohama Transformation2026(YX2026)」に基づき、YX2023から推進してきた戦略をさらに推し進め、経営基盤強化に取り組む。売り上げ、利益ともに2023年度を上回り過去最高を目指しており、売上収益は前期7・6%増の1兆600億円、事業利益は同16・0%増の1150億円、営業利益は同15・1%増の1155億円、当期利益は同10・8%増の745億円を予定している。