2024年2月29日

カーボンブラック協会
2024年カーボンブラック需要見通し

総需要1.2%増予測
さらなる販売増加に期待

【2024年カーボンブラック需要見通し】

カーボンブラック協会(長坂一会長)は2月15日、2024年のカーボンブラック需要見通しを発表した。

カーボンブラック需要予測の前提ベースとして、日本自動車タイヤ協会においては24年の自動車生産台数が前年比1・8%の増加となる予測に基づき、自動車タイヤの国内需要は同0・3%増となると予測。また日本ゴム工業会では、新ゴム消費量は自動車タイヤ・チューブ用が前年比0・6%の増加、一般ゴム用では同3・7%の増加となり、ゴム産業全体では同1・2%の増加と予測している。

これらの主要需要先における需要見通しをベースに、同協会では輸出入状況なども織り込んで24年のカーボンブラック需要見通しを行い、その結果、カーボンブラック総需要は前年比1・2%増の68万5850㌧と予測した。

需要予測の背景としては、昨年からコロナ禍におけるマイナス影響からは脱しつつあるものの、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとハマスによる紛争の長期化などのほか、中国経済の鈍化など、いくつかのマイナス要因が顕在化している現状を織り込んでいる。また、主力を形成する自動車タイヤ用に関しては、半導体のひっ迫が緩和されたことで新車装着タイヤは伸びているものの、市販用タイヤが鈍化傾向にあることで「今年はさらなる販売増加に期待する」(同協会)としている。

一般ゴム用については、自動車生産台数とタイヤなどの需要見通しに基づいて同1・2%増の61万320㌧と予測。総需要のうち、内需については同1・2%増の63万6650㌧と予測しており、このうちタイヤ用は同0・5%増の45万798㌧、一般ゴム用は同3・6%増の14万6672㌧と予測した。

また、輸出については同1・0%増の4万9200㌧と予測、このうち、一般ゴム用は同1・0%増の1万2850㌧と予測している。

24年の輸入については同1・0%増の11万1520㌧と予測。このうちゴム用は同1・0%増の10万1250㌧と予測しており、主要貿易相手国である中国における輸出入数量が現地経済低迷の影響で減少すると見通している。