2024年3月30日

ニッタ
産業分野向けCFRP製品開発

CNT複合化技術用い
AS9100認証取得目指す

ニッタ(石切山靖順社長)は、CNT(カーボンナノチューブ)複合化技術「Namd(エヌアムド)」を用いた産業分野向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製品を開発(特許取得済)した。

Namdは分散剤を使用することなく、「ナノ分散」を実現することでCNTの自己凝集力を応用し、独自複合化技術によって炭素繊維表面への均一CNT膜を形成することができる。2017年度以降、「振動減衰性」「弾性率の速度依存緩和(しなり戻り)」等の優れた特性により、テニスラケットやゴルフクラブシャフトなどといったスポーツ分野において数多くのCFRP製品に採用されてきた。

同社はNamd事業のさらなる拡大を目指し、産業分野用途への展開を図るため、開発を進めてきたが、今回、CF表面へCNTを不織布状に3次元的な構造を形成することで、CFRP適用時にCF―樹脂間の界面強度向上やCF―CF間における架橋構造起因の特性を発揮可能とした第2世代のNamd「2G―Namd」の特長の一つである「疲労耐久性」を生かし、これまで実現困難であった軽量高強度かつ高信頼性のCFRP製品を開発した。

CFRP試験片の引っ張り疲労試験においては、CNT/CFRP(2G―Namd)は、通常CFRPと比べて繰り返し引っ張り荷重において疲労耐久回数が1ケタ以上向上することが確認されている。

なお同社は、本製品を高信頼性が求められる航空・宇宙分野用途において展開を行うため、25年に航空宇宙産業固有の要求事項(機能・性能および安全性の確保など)を追加した航空宇宙産業の航空宇宙品質マネジメントシステム「AS9100:ISO9001」の認証取得を目指す。

CFRP試験片の引っ張り疲労試験結果