【２０２４年３月期決算】
三ツ星ベルト

三ツ星ベルト（池田浩社長）は５月２０日、東京都中央区の東京本社において「決算説明会」を開催した。それによると、売上高は前期比１・３％増の８４０億１４００万円、営業利益は同１４・１％減の７７億５９００万円、経常利益は同８・３％減の９６億５００万円、当期純利益は投資有価証券売却益などにより同０・４％増の７１億２００万円となった。円安の影響もあり、売上高は増収、当期純利益は２年連続で過去最高を達成した。営業利益における増減要因は、労務費・人件費の減少により１億６０００万円、物流コストの影響の緩和で７億８０００万円、為替影響で４億１０００万円のプラス要因があったものの、売上高（現地通貨ベース）の減少で３億９０００万円、売上構成の影響で２０億９０００万円、原材料価格高騰により１億１０００万円、その他の影響による３０００万円のマイナス要因が利益を圧迫した。

セグメント別では、国内ベルトの売上高は前期比３・３％減の２７３億６２００万円、セグメント利益は同１２・２％減の８０億５３００万円。自動車用ベルトはユーザーの半導体不足に起因する減産が解消され、生産が回復しており、前期を上回る傾向で推移し、売上高が増加した。一般産業用ベルトは本年７月の日本銀行券刷新を控え、金融端末向けの受注が好調だったが、射出成形機、工作機械、ロボット業界向けなどの落ち込みにより、売上高が減少した。搬送ベルトは、半導体製造装置向けが低調だったものの、食品業界向け補修ベルト販売が好調に推移したことから、売上高が増加。合成樹脂素材は、前期と比較して大口物件減少の影響を受け、売上高が減少した。

海外ベルトの売上高は同０・７％減の４３９億３５００万円、セグメント利益は同３８・６％減の２１億２３００万円。自動車用ベルトは、補修市場はアジアにおいて市中の在庫調整の影響を受け売り上げが低調であったが、組み込み向けは中国、米国および欧州で四輪車用、インドでは二輪車用の新規需要獲得により、売上高が増加した。一般産業用ベルトは市中の在庫調整に加え、市況低迷により売上高が減少。ＯＡ機器用ベルトは、ペーパーレス化による需要減少に伴う顧客の減産により売上高が減少した。

建設資材の売上高は同４１・９％増の７３億７００万円、セグメント利益は同１８８・８％増の５億８９００万円と、利益が３ケタの増加となった。建築防水部門は、新型コロナ感染症対策による行動制限の緩和によって改修工事の需要が回復し、売上高が増加。土木遮水部門は廃棄物処分場などの大型工事物件が寄与し、売上高が増加した。土木防水部門は、昨年３月からの事業譲受により売上高が増加した。

エンジニアリング　ストラクチュラル　フォーム、電子材料、仕入商品などが含まれるその他の売上高は同３・７％増の５４億９００万円、セグメント利益は同３０・７％増の２億９００万円。電子材料は、データセンター向けの大口受注や国内外での新規顧客開拓によって売上高が増加した。

同社がこのほど策定した「’24中期経営計画」の初年度となる今期については売上高を前期比５・３％増の８８５億円、営業利益は同１６・６％増の９０億５０００万円、経常利益は同１０・５％減の８６億円、当期純利益は同３０・９％増の９３億円を見込んでいる。