2020年8月5日

日本触媒
データ駆動型研究開発を強化

「DS&I推進室」を新設

日本触媒(五嶋祐治朗社長)は、事業創出本部の吹田地区研究所内に「データサイエンス&インフォマティクス推進室」(以下、DS&I推進室)を6月1日に新設した。

同社は過去10年にわたり、データサイエンスならびにマテリアルズ・インフォマティクスを独自に運用しており、製法・物性・計測など多角的な研究データを〝ベイズ推定〟(数値データから過去の経験までさまざまな情報を確率的に統一して扱う方法論。機械学習と組み合わせることで、比較的少数のデータでも隠れた性能要因や最適な材料設計などを特定できる)によって統合的に解析することで、アクリル酸触媒や高吸水性樹脂をはじめとする材料開発を推し進めてきた。

近年、製品開発全般において多様化する顧客ニーズへの対応と事業化までのリードタイム短縮への要求がますます高まっていることから、同社ではDS&I推進室を設置し、これまでデータサイエンスならびにマテリアルズ・インフォマティクスで蓄積した技術と知見をさらに発展させ、データ駆動型の研究開発を全社的に強化していく。

DS&I推進室では将来を見据えた設備投資と技術実証を行うとともに研究開発者のデータリテラシーの醸成を重要視し、当該人材の継続的育成と全研究部門への適切な配置を進めていく。中長期的には組織横断的な情報基盤の構築に取り組むことで、同社のデータ資源を研究開発戦略上のさらなる強みへと変革し、探索研究から事業化までの飛躍的な確度向上と期間短縮を目指す。