国内タイヤメーカー 19年12月期決算出そろう
TOYO TIRE
利益面計画値上回る
TB、乗用車用夏用が好調
TOYO TIRE(清水隆史社長)は14日、大阪市中央区の北浜フォーラムで決算発表会を開催した。売上高は前期比4・0%減の3774億5700万円、営業利益は同9・3%減の384億4700万円、経常利益は同4・5%減の366億4500万円、当期純利益は同132・0%増の244億8200万円となった。なお売上高の前年度比には、前年度末に実施した自動車部品事業セグメントの軟質ウレタン事業(バンパーの販売事業を除く)の譲渡による影響額59億2800万円が含まれている。着実に成長路線に乗せており、主体であるタイヤ事業の売上高が為替の影響によって63億円の損失を受けたことで売上高は通期予想の計画値には届かなかったものの営業利益、経常利益、当期純利益ともに計画値を上回った。営業利益における増減要因は、タイヤ事業においては原材料価格の影響によって34億円のプラス要因があったものの、製造コストで34億円、為替差損で26億円、販売要因で16億円、販管費増による15億円のマイナス要因があり、55億円減益した。その他については自動車部品事業が15億円、事業譲渡ほかで1億円のプラスとなり、15億円の収益増となった。
当期が2017年を初年度とする中期経営計画の最終年度であり、生産能力の増強や拡販に向けての体制構築など成長戦略に向けての基盤を整備。「昨年8月に成長戦略を発表したが、これを重要な羅針盤として新中期経営計画を練り上げる。今年は創業75周年という節目の年にあたるが、この機を100周年に向けての布石としてとらえており、目標の達成に向けて執着心を持ってやり遂げる」(清水社長)。
事業別では、タイヤ事業の売上高は前期比2・6%減の3328億3800万円、営業利益は同11・7%減の413億9300万円。北米市場における市販用タイヤについては乗用車用タイヤ、ライトトラック用タイヤで高インチ化が進む一方、トラック・バス用タイヤを含む全カテゴリーで販売量、売上高ともに前年度並みとなった。欧州市場における市販用タイヤについては、市況が軟調に推移したことに加え、円高の影響もあって販売量、売上高ともに前年度を下回った。新車用タイヤについては、海外市場において新規ビジネスを獲得したものの、国内市場における同社製品装着車種の販売減少の影響により、販売量は前年度並みとなった。国内市販用タイヤについては、暖冬の影響により乗用車用冬用タイヤの販売量が前年度の実績を下回ったものの、トラック・バス用タイヤおよび乗用車用夏用タイヤの販売が好調に推移、販売量、売上高ともに前年度を上回った。
自動車部品事業の売上高は同13・4%減の445億5100万円、営業損失は29億1900万円(前年度は45億3700万円の損失)。防振ゴムの売上高は、主に中国市場での販売量の減少により前年度の実績を下回った。軟質ウレタン事業(バンパーの販売事業を除く)に関しては事業譲渡による影響額59億2800万円のマイナス要因も含んでいる。
今期については、売上高で前期比2・3%増の3860億円、営業利益で同14・4%増の440億円、経常利益は同12・2%増の411億円、当期純利益は同12・3%増の275億円と増収増益を見込んでいる。