2020年9月5日

住友理工
ベトナムに自動車用ホース製造会社設立

グローバルでの拠点網再編策

住友理工(清水和志社長)は、自動車用ホース製造・販売の新会社「SumiRiko Vietnam(仮)」をベトナムに設立することを決定した。自動車用ホース製造拠点のベトナム進出は2拠点目となる。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響によって世界の自動車生産台数は、前年比で大幅な落ち込みが予想されている。一方、中国ではいち早く販売数量が持ち直すなど、自動車産業は回復の兆しを見せ始めている。

同社グループの自動車用ホース事業は、世界6極で製品開発・供給体制を構築。世界中で発生する貿易摩擦やコロナ禍の現状などを踏まえ、サプライチェーン(供給網)の多元化・分散化によるリスク回避や、顧客のそばで製品を生産し、迅速に供給する「地産地消」の観点から、事業拠点の見直しや再編を積極的に進めている。また中国を筆頭に、おう盛な需要を見せる国々での事業拡大に向け、十分な生産能力を確保するために、グループ・グローバルでの拠点網再編策として、今回ベトナムに新拠点を設けることとした。

新会社は、首都・ハノイの中心部から北44㌔㍍に立地するビンフック省内の第3タンロン工業団地内に今年12月に設立され、ベトナム国外向けのゴムホース製造を担う。面積は土地2万5000平方㍍、建屋1万3000平方㍍。資本金は1131億ベトナムドン(約5億2000万円)で、住友理工100%出資。2024年度までの投資額は計約24億円。操業開始は22年10月に予定されており、24年度にかけて順次拡大していく。代表は住友理工執行役員、自動車用ホース事業本部副本部長の流郷健二氏が務め、従業員数は560人(25年度見込み)を計画している。

同社グループは自動車用ホース事業において、東南アジアでは同国内に既に1拠点を持つほか、タイやインドネシアにも製造拠点を有している。これらに新拠点を加えることによって、一層高品質で競争力のある製品の供給を実現するとともに、これらの施策を通じて、グループ全体でより筋肉質な経営体質の確立を進めていく。