2020年11月5日

横浜ゴム
AI利活用構想を策定

HAICoLab
“人とAIとの協奏”

横浜ゴム(山石昌孝社長)は、デジタル革新のためのAI利活用構想「HAICoLab(ハイコラボ)」を策定した。ハイコラボは、ヒューマンズ・アンド・AI・コラボレート・フォー・デジタル・イノベーションに基づいた造語で、人とAIとの共同研究所という意味合いも込められている。〝人とAIとの協奏〟によって、AIが苦手とするデータの存在しない未踏領域をも含めた知見の探索を可能にし、プロセスや製品、サービスの革新を目指す。これによりユーザーエクスペリエンスの向上および内閣府が提唱するAIやIoTなどの革新技術により実現する新たな未来社会の姿「Society5・0」の実現に貢献する。

ハイコラボの特長は、人間特有のひらめきや発想力とAIが得意とする膨大なデータ処理能力との協奏により、新たな発見を促すことでデジタル革新を目指すこと。IoTなどによる現実データと、シミュレーションなどによる仮想データを人が設定する仮説に沿ってデータを生成・収集し、AIにより予測・分析・探索することによって、新たな知見の獲得が可能となる。仮説設定では、行動心理学や行動経済学を活用し、新しい発見の障壁となる思い込みなどのバイアスを意識的に排除。得られた知見が記憶の断片となり、それらの結合により新しいアイデアの創出(ひらめき)が期待できる。バイアス排除とひらめきによる仮説設定によって、未踏領域での知見の探索を目指す。

ハイコラボを構造と材料の設計開発プロセスに活用し、開発の効率化およびスピード向上を実現。生産プロセスの自動化や、品質指標の安定化に活用することによって、製品品質を安定させる。ひらめきやバイアス排除によって、過去のデータから直接導き出せない新しい技術やソリューションを発見し、暗黙知や技術的なやり取りをデジタル化し、共有化の実現を図る。

同社ではハイコラボの策定に先駆け、材料やタイヤの設計開発プロセスにおいて、AI利活用による技術開発を進めており、2017年にはマテリアルズ・インフォマティクスによるゴム材料開発技術、インフォマティクス技術を活用したタイヤ設計技術を発表している。