2020年12月20日

TOYO TIRE
記者懇談会を開催

新経営計画を策定
苦難乗り越え新たな挑戦へ

TOYO TIRE(清水隆史社長)は12月3日、ウェブ会議システムを活用し、この時期恒例の「2020年度記者懇談会」を開催した。昨年1月1日にタイヤ・自動車用部品というモビリティにかかわる、ビジネスを中核とした新たな経営体として生まれ変わって早くも2年。今年が操業75周年の節目の年というタイミングでもあって、数々の新たなチャレンジにも立ち向かった。それら取り組みの総括とともに、新たな未来に向けた道づくりのフレームワークを披露した。

第二の創業の年としてスタートを切った同社の清水社長は「2020年を振り返りながら2021年に向けての当社のありたい姿を浮き彫りにしていきたいと思う。今年を振り返ると〝COVID―19〟による災禍をなくしては語れない。当初は中国のごく一部地域における感染症で、早い段階で封じ込められると多くの人々が期待していたが、今では世界中を席巻し、日々50万人規模でCOVID―19による感染者が増え続けている。世界で6200万人規模へと被害は広がっており、いまだ収束の見通しは立っていない。改めて目に見えないウイルスによる恐ろしさを思い知った」と語った。

同社の強みを軸とした世界戦略をスタートするためのアクセルを一段と強く踏み込むタイミングではあったが、2020年12月期決算の上半期をおいてグローバル規模での大きな災禍に巻き込まれ、世界経済と同様に同社の業績にも大きな影を落とした。

こうした状況にあって、同社の経営体制に目を向け、特に2つの重要項目を掲げた。「その一つは感染予防対策の徹底で、空間の広い工場内においては密を避けることが難しくはないものの、徹底的な感染予防の対策を講じた。生産・物流・メンテナンススタッフ以外の従業員については、4月8日より在宅のテレワークに移行。感染予防を果たせたことは判断の成功を裏付けているが、それ以上にリモートでも業務をこなせるという事実の発見があり、そのノウハウの業務手法を身につけたことで仕事の方法に厚みが増した。100%正しい答えが存在しないことから、慎重に考え抜きながら課題解決を図っていく姿勢こそが大切だと信じている」(清水社長)。

「二つ目は事業経営の切り口であり、社内組織改革として3月中旬から統括管掌職の人財をまとめ上げ、会議情報、収集、対応の実績を報告し合う体制づくりを行った。各セクションの責任者が一堂に会し、工場の稼働率やユーザーの動きや情報の中身を共有できるよう仕掛けづくりを行った」(同)。

同社は今年で創業75周年を迎え、4年間を実行期間とした中期計画の最終局面に差し掛かる。新しい経営計画の策定にも取りかかっているが、現状までもコロナ禍で計画が狂わされたという実績はなく、新計画においても懸念材料としてとらえることなく、これまで以上に新しい道筋をしっかりと刻み付けていく。経済は大ダメージを受けたが、悲嘆にくれることなく、いかにして新しいチャンスを獲得し、取り込んでいくかという考え方で前向きに進んでいきたい」(同)と意気込みを語った。