住友ゴム工業
米国工場のタイヤ生産能力増強
好調な北米市場での需要に対応
住友ゴム工業(山本悟社長)はSUV、ライトトラック用タイヤの好調な北米市場での需要に対応するため、米国工場における乗用車・ライトトラック用タイヤの生産能力を、現在の日産6500本から2023年末までに日産1万2000本に増強することを決定した。投資額は9600万㌦(約101億円)を計画。併せて、順調に販売を伸ばしているトラック・バス用タイヤの生産能力も2600万㌦(約27億円)の投資を行い、現在の日産1750本を24年末までに日産2300本に引き上げる。この生産増強、生産性向上のための総投資額は1億2200万㌦(約128億円)となる計画。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって落ち込んだタイヤの世界需要がコロナ前の水準まで回復するのは来年以降になると見込まれているが、同社はファルケンブランドの「WILDPEAK(ワイルドピーク)」シリーズを中心とする高機能タイヤで北米市場での販売を着実に伸ばしている。この好調な販売に対応するとともに、米国工場の生産性改善が進んだことから増産投資を決定した。現地生産を強化し、販売リードタイムの短縮を図ることで、さらなる拡販につなげていく。
また同社は米国工場での生産増強に加え、タイと宮崎の工場でも既存設備をSUV、ライトトラック用生産設備に置換することも決定した。タイ工場では23年までに日産4150本、宮崎工場では24年までに日産1600本の生産置換を行うことで、北米販売拡大をサポートする。両拠点への総投資額として108億円が計画されている。
同社は中期計画の柱の一つとして高機能商品の開発・増販を掲げており、今回の生産能力増強によって、その取り組みを一層加速させていく。
【米国工場概要】
▽会社名=Sumitomo Rubber USA
▽所在地=米国ニューヨーク州トナワンダ
▽代表者=CEO・伊井康高氏
▽操業開始=1923年
▽事業内容=乗用車・ライトトラック用、トラック・バス用、モーターサイクル用タイヤの製造
▽生産能力=3150㌧/月(20年12月末、新ゴム消費量)
▽従業員数=1340人(20年12月末)