JSR
MBL社を完全子会社化
創薬支援分野での競争力を強化
JSR(エリック・ジョンソンCEO)は医学生物学研究所(本社・名古屋市中区、山田公政社長、以下、MBL社)の全発行済株式の取得を完了し、完全子会社化した。これにより、人々の健康におけるグローバルな進歩に焦点を当てて、新しいパートナーシップをさらに定義するため、協力を行う。
JSRとMBL社は2013年に締結したパートナーシップにより、JSRの抗体・抗原・遺伝子関連技術および試薬開発技術とMBL社の保有する技術を統合し、医療分野での協業を推進。今回の完全子会社化により、個別化医療と革新的な診断技術の開発を通じて、人々の健康や医療の進歩に注力していく上で有益であるものと期待されている。
JSRでは昨年10月27日、同社の連結子会社であったMBL社の完全子会社化に向けて、株式の公開買い付けの実施を発表。MBL社もこれに賛同し、MBL社自身も自社の株主に対して公開買い付けの応募を推奨していた。
今回のMBL社の完全子会社化に際し、JSRの事業部門であるJSRライフサイエンスのティム・ロウリー社長は「MBL社の発行済み株式の取得は、JSRの長期的なビジョンと目標を支える戦略的投資である。MBL社との新しい、より完全に統合された関係は創薬支援分野におけるJSRの競争力とコンパニオン診断の開発をさらに強化する」と述べている。
取引後の数カ月間、経営陣の統合によって開発、設備、人材への先行投資を迅速に行い、中期経営目標に注力し、国内市場の維持、海外展開の促進、新規事業の創出が行われる。
【MBL社の概要】
▽所在地=名古屋市中区栄4―5―3
▽設立=1969年8月23日
▽資本金=44億8293万円
▽決算期=3月
▽従業員数=285人(20年3月31日現在)
▽業務内容=病院・検査センターを対象とする臨床検査薬(主に自己免疫疾患検査試薬や遺伝子検査試薬)、病理・細胞診検査の研究・開発・製造・販売。大学・企業などのバイオ関連研究開発部門を対象とする、基礎研究用試薬の研究・開発・製造・販売。免疫学・再生医学・ゲノム生物学などを対象とした、先端バイオテクノロジーの研究・開発。新規がんマーカーの研究・開発、抗体技術を駆使した抗体医薬の研究・開発。コンパニオン診断薬の開発受託サービス、創薬支援。バイオベンチャー設立・運営への参画・支援・投資