2021年8月25日

日本ミシュランタイヤ
全天候型タイヤの新製品発表

ミシュランクロスクライメート2

日本ミシュランタイヤ(須藤元社長)は8月18日、全天候型タイヤの新製品として「MICHELIN CROSSCLIMATE2(ミシュランクロスクライメート ツー)」の発表会をオンラインで開催した。ミシュランが求めるハンドリング性能、ドライ・ウエット時におけるブレーキング性能といった夏タイヤの性能を高い水準で満たしながら、雪上でもその走破性を高次元で発揮する全天候型タイヤ「MICHELIN CROSSCLIMATE+(ミシュランクロスクライメート プラス)」をさらに進化。10月8日より順次発売する。発売サイズは15~20㌅の計61サイズで、価格はオープン価格。

冒頭、須藤社長は「ミシュランクロスクライメートシリーズは2019年に販売を開始した。当時の市場ではオールシーズンタイヤがどういうものなのか認知されておらず、消費者の間では〝夏タイヤ性能は低いのでは?〟〝結局、中途半端な性能なのでは?〟といった印象だったかもしれない。そのような市場環境でも、最新技術開発によって実現した夏タイヤの性能と雪上性能が両立できるタイヤであれば必ず消費者に受け入れられる、つまり高い安全性や利便性は必ずユーザーの利益につながると考えて販売した結果、販売初年度から好評を頂き、毎年前年を大きく上回る実績となっている。今日ご紹介する新製品も現状の性能に満足せず、安全性をはじめさらなる利便性の向上を目指して開発した。ミシュランはユーザーニーズに基づくより高い技術や機能を1本のタイヤに集約することで、より多くのユーザーが安心して豊かなモビリティライフを送ることができることを願っている」と述べた。

続いて同社の乗用車・商用車タイヤ事業部マーケティング部の黒谷繁希ブランド戦略マネージャーが登壇。〝雪も走れる夏タイヤ〟がコンセプトのミシュランクロスクライメートは15年にヨーロッパで発売され、96%という高い消費者満足度を獲得、17年にはミシュランクロスクライメート+を発売し、数多くの賞を受賞。日本では19年に同シリーズの販売を開始した。日本市場での実績を見ると初年度販売目標達成率293%、20年度の成長率は前年比156%、21年度成長率は前年同期(7月末時点)比137%の高い実績を示している。その裏付けとして製品満足度90%、継続利用意向91%などにより、消費者からの評価が高いことを説明した。

ミシュランクロスクライメート2の特長については、同社製品開発本部新製品開発部シニアエンジニアの稲葉和範氏が解説。全天候型タイヤに求められる諸性能を高い水準で満たして好評を得ている従来品のミシュランクロスクライメート+から、さらに性能向上が図られており、新開発のコンパウンドや新デザインのトレッドパターンの採用によって、細部にわたり最新の技術を投入することで相反する諸性能に対応している。これにより安全性に加えて、経済性のさらなる向上が可能となり、消費者の求めるニーズにこたえる形で季節を問わない優れた機能性と利便性を提供する。夏と冬の両方の路面で優れた性能を引き出す技術として新たに開発されたトレッドコンパウンド〝サーマル・アダプティブ・コンパウンド〟は、ドライ、ウエット、雪上路面など、刻々と変化する路面状況に幅広く対応し、一年を通してより安全な走行を可能にする。センターからショルダー部にかけて、溝面積が広くなるよう設計された〝新Ⅴシェイプトレッドパターン〟の採用により、従来品に比べて大きく切れ込んだV字角の新トレッドパターンが、排水・排雪性能に貢献し、ウエット、雪上路面においてより高いパフォーマンスを発揮する。

〝Ⅴ―Ramp Edge(ブイランプ エッジ)〟によってエッジ部に施された面取り加工が、ブロックの倒れ込みを防止。接地面が最大化され、ドライ路面での高い制動力を引き出す。〝LEVサイプ(エルイーブイサイプ)〟がブロック同士を互いに支え合い、倒れ込みを抑制。夏・冬路面に効果的なグリップを発揮するとともに、耐摩耗性と転がり抵抗の低減に寄与する。〝P―Edge(ピーエッジ)〟により、摩耗するに従って、ブロック側面に凹凸と溝が出現、効率的に排水、排雪を促進。エッジ効果によって摩耗時におけるウエット・雪上性能を向上させることで安心感が長く持続する。これらの技術により、従来品のミシュランクロスクライメート+に対して、雪上でのブレーキング性能を7%、ウエット路面でのブレーキング性能で6%、ドライ路面でのブレーキング性能を5%向上させている。

発表会では、スペシャルゲストとして、モータージャーナリストの佐藤久実氏を招待。テストドライブにおける感想などを交えたトークを行い、実際のドライバーの立場から品質の高さを評価した。