2021年10月5日

帝人フロンティア
抗菌・抗ウイルス人工皮革を開発

持続性抗菌剤採用
シューズ等へも幅広く展開

帝人フロンティアのグループ会社で人工皮革の開発、製造、販売を展開する帝人コードレ(本社・大阪市北区、浅田和重社長)は、小林製薬(本社・大阪市中央区、小林章浩社長)が販売する、抗ウイルス性を併せ持った持続性抗菌剤「KOBA―GUARD(コバガード)」を活用した抗菌・抗ウイルス人工皮革「Viruguard(ウイルガード)」を開発し、今月から帝人コードレがランドセル向けに展開を開始する。
 新型コロナウイルスの影響によって昨今、家庭や学校などの日常生活のさまざまなシーンで感染対策への関心が高まり、抗菌・抗ウイルス加工のニーズが拡大しており、スポーツにおいても多くの大会などを通じて、衛生対策の重要性が議論されるようになった。

しかしながら、一般の繊維製品に対する抗菌・抗ウイルス加工の実用化は進んでいるものの、人工皮革への加工は性能の維持が難しいことから、抗菌・抗ウイルス性能を発揮する製品は限定的であった。こうした中、帝人コードレ独自の人工皮革の生産・加工技術と、抗菌・抗ウイルス性能を有する小林製薬のコバガードとを融合することで、抗菌・抗ウイルス人工皮革のウイルガードの開発を実現した。

ウイルガードは、その表面にコバガードを使用することにより、「SIAA抗菌加工」「SIAA抗ウイルス加工」の認証を取得している。加えて独自の表面処理技術によって天然皮革調やエナメル、ヌバック調など一般的な人工皮革と同様の加工が可能で、幅広い用途に展開することができる上、リサイクルポリエステル原料を用いることで環境配慮型製品にも対応が可能となっている。

コバガードに活用されている技術はもともと、潜水艦の閉ざされた空間でカビなどの微生物の増殖をコントロールするために開発されたもので、小林製薬による基礎研究では、さまざまな細菌・カビ・ウイルスに対して効果を発揮するというデータも得られている。また、コバガードには繊維の種類や硬質などを問わず、さまざまな素材を加工できる可能性があり、これまでにもアパレル、い草製品、空気清浄機の加湿フィルターなどに活用されている。

帝人コードレが今月からランドセル向けに展開を開始し、その後、シューズやボールなどのスポーツ用品に幅広く用途展開を行い、初年度の2021年度に3万㍍、3年後の24年度には58万㍍の販売を目指す。