2021年11月5日

三井化学
九州大学と組織対応型連携

カーボンニュートラル領域を研究

三井化学(橋本修社長)は10月28日、九州大学(石橋達朗総長)との間で、カーボンニュートラルに資する最先端の環境基盤技術の開発獲得および同技術領域における実用化・事業化の推進を共同で行う組織対応型連携契約を締結した。それに伴い、九州大学が福岡県福岡市に置くカーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(略称・I2CNER、以下、アイスナー)内に、「三井化学カーボンニュートラル研究センター」(以下、MCI―CNRC)を設置した。契約期間は、今月1日~2031年3月31日までで、MCI―CNRCにおける主な研究領域は、グリーン水素製造・利用、CO2分離・回収、CO2変換・固定化、高度分析・評価の4項目。

九州大学は、1911年の創立以来、基幹総合大学としてその歴史と伝統に培われた教育と研究を行い、優れた人材を国内外に輩出、最先端の研究や医療、また専門性の高い研究成果によって広く社会に貢献している。アイスナーは、10年に文部科学省が、日本の基礎研究機能を格段に高め、国際競争力を強化していく目的から、高いレベルの研究者を中核とした世界トップレベルの拠点形成を目指す構想に集中的な支援を行う制度として創設した「世界トップレベル研究拠点プログラム」(以下、WPI)に採択、設置され、昨年にはWPIアカデミーの拠点となり、世界で最初に〝カーボンニュートラル〟を冠した研究機関が誕生した。

三井化学は昨年11月に、50年カーボンニュートラル宣言を発表。三井化学グループのGHG排出量削減と、住友化学グループが提供する製品のライフサイクル全体を通じたGHG削減貢献量の最大化をカーボンニュートラル戦略の両輪としており、化学会社として社会変革に大きく貢献するために始動している。MCI―CNRCでは、アイスナーが培ってきたグリーン水素、CO2の回収、貯留、変換などカーボンニュートラル・カーボンネガティブを目指す世界最先端の知見と、三井化学が取り組んできた低環境負荷技術の社会実装を目指した開発・工業化に関する知見をベースに、共同研究を実施。カーボンニュートラルの実現に必要な要素技術の研究を、集中的、効率的に行うことで、これら技術の社会実装を加速させる。

三井化学と九州大学は、持続可能な社会の実現に向けて、最先端の実用化技術の創出を目指し、社会課題解決とカーボンニュートラルへの取り組みを推進していく。