2022年3月期「決算説明会」を開催
ユーシン精機
2ケタの増収増益に
前期比で受注が大きく伸長
ユーシン精機(小谷高代社長)は5月12日、ウェブを通じて「決算説明会」を開催した。当期の売上高は前期比13・0%増の208億7400万円、営業利益は同14・6%増の28億9000万円、経常利益は同18・3%増の30億8500万円、当期純利益は同15・6%増の21億1200万円となり、増収増益となった。前年同期と比較して受注が大きく伸長。売上高は特注機において大口案件の回復が遅く、前年同期との比較では減少となったものの、取出ロボットの新製品における販売活動に力を注いだ結果、部品調達難が続く状況にありながら、納期厳守に努めたことで売上高が増加した。地域別では、取出ロボットの販売は日本やアジアにおいて増加、中国や北米においても引き続き販売は好調に推移した。
キャッシュフローについては、増益効果もあって前期比2億900万円増の70億5500万円。当期純利益増のプラス分に加えて原価償却費によって5億8500万円、現金および現金同等物における換算差額によって2億3100万円の積み増しがあった。配当金総額は6億4600万円。配当性向は30・6%で、年間配当金として、1株当たり前期比1円増の19円を予定している。今期については、配当性向を46・4%にまで引き上げ、設立50周年の記念配当10円を上積みし、1株当たり年間30円の配当を予想している。
製品別の売上状況は、主力製品の取出ロボットは前期比20・0%増の142億8200万円。特注機は同8・7%減の31億2400万円。部品・保守サービスは同10・2%増の34億6700万円となった。
地域セグメント別では、日本の売上高は同13・1%増の150億8800万円、営業利益は同41・2%増の18億1600万円。米国の売上高は同16・4%増の40億2700万円、営業利益は同5・8%増の4億9600万円。アジアの売上高は同25・1%増の57億3200万円、営業利益は同25・8%増の5億1100万円。欧州の売上高は同32・9%減の12億8300万円、営業利益は同58・3%減の1億5600万円となった。
今期については、地政学的リスクや、世界的な物流の混乱など、同社を取り巻く環境としては先行き不透明な状況が続くものと想定。しかしながら、中長期的には労働安全性への配慮や生産効率向上による生産自動化の世界的な流れは継続することが見込まれる。同社にとっては、新型コロナウイルス感染症による営業活動への影響や部品調達難は引き続きリスクとして存在するものの、前期に比べて需要は回復に進むとみており、売上高を前期比5・4%増の220億円、営業利益を同7・2%増の31億円、経常利益を同0・5%増の31億円、当期純利益を同4・2%増の22億円と見込んでいる。