ブリヂストン
トラック・バス用タイヤの生産能力増強
米ウォーレン工場
プレミアムタイヤ事業強化
ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)の米州グループ会社であるブリヂストンアメリカスは、トラック・バス用ラジアルタイヤの生産を行うウォーレン工場(アメリカ・テネシー州)の生産能力増強を決定した。ブリヂストンでは、グローバルでプレミアム商品を〝創って売る体制〟の強化に向けた投資を実行しており、今回の生産能力増強もその一環。総投資金額は約700億円で、本年末までに増強を開始し、2026年末までにウォーレン工場の生産能力は現在の年間350万本弱から450万本弱となる予定。
同社グループの米国における供給体制については、従来から地産地消をベースにタイムリーに”断トツ商品”を顧客に供給できる体制を構築してきた。トラック・バス用タイヤにおける米州での地産地消率は昨年実績において約85%レベルであったが、現在の供給体制では今後のプレミアムタイヤ事業強化による拡売により、地産地消率が約70%レベルに低下する懸念がある。そこで、米国内におけるトラック・バス用タイヤの継続的なシェアアップ・拡売を支えるため、今回の大幅な米国現地生産能力増強を決定した。
今回の生産能力増強について石橋Global CEOは「今後グローバルでプレミアムタイヤ事業を強化していくにあたり、最重要市場である米国におけるトラック・バス用プレミアムタイヤの現地生産能力アップおよびシェアアップ、拡売は不可欠なものと考え、今回の増強を判断した。さらに、〝循環ビジネス時代の新たなプレミアム〟と位置付けるトラック・バス用タイヤのENLITENビジネス戦略においても重要な戦略的成長投資として実行していく」と述べている。
また、今回の生産能力増強によってウォーレン工場における雇用が約1100人から1400人以上となるなど、地域の雇用促進、地域社会と共同で工場周辺地域の緑化や生物多様性保全プログラムを実施するなど、地域社会に寄り添い貢献するとともに、技術イノベーション、サステナビリティの観点でも同社グループの重要な生産拠点として将来のグリーン&スマート工場化も見据え、進化させていく。グリーン化についてはカーボンニュートラル化実現に向けたCO2排出抑制新技術の導入、スマート化については従来の自動化技術にデジタル技術を加え、AI制御を可能とすることで暗黙知を形式知化、属人的なモノづくりからの脱却を計画。
加えて今回の設備投資で、同工場で生産を行うすべてのタイヤへのRFID(個体を識別する技術)タグの取り付けが可能となり、生産日時・場所、検査情報、出荷日時、車体への取り付け日時、点検情報など個々のタイヤに関する情報を瞬時に登録・確認できるようになる。これにより、個々のタイヤデータを踏まえた効率的なリトレッド・メンテナンスサービスなど、さらなる安全運行とオペレーションコストの最適化に貢献するソリューションを運送事業者に提供するとともに、カーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現へも貢献していく。