シングルユース部素材国産化に向けパートナーシップ形成
ニッタ、藤倉コンポジット等5社
ニッタ(石切山靖順社長)、藤倉コンポジット(森田健司社長)、藤森工業(本社・東京都文京区、布山英士社長)、東京計装(本社・東京都港区、杉亮一社長)、ロキテクノ(本社・東京都品川区、伊東伸社長)の5社は、抗体医薬品をはじめとするバイオ医薬品の製造過程で使用されるシングルユース部素材の国産化のためのパートナーシップ「J―STAC(Japan Single―use Technology Adⅴanced Collaboration/シングルユース技術国産化共同体)」を形成した。
今回のパートナーシップは、医薬品製造プロセスに必要なシングルユース部素材の高い海外依存率を改善するため、日本国内で技術を有している各企業が協力し、開発を加速させ、高品質な製品を迅速かつ安定供給することで医薬・医療分野の発展に貢献することを目的としている。
J―STACはシングルユース部素材の開発、安定供給を実現するため①シングルユース部素材の選定基準や規格試験、基準の共有②シングルユース部素材に関する勉強会の開催③シングルユース部素材および周辺市場における最新技術や研究の動向の共有④シングルユース部素材の販売促進活動⑤その他、目的を達成するために必要な事業を推進し、本活動を通じて医薬・医療分野向けの製品開発に注力することで社会へ貢献していく。
ニッタは国内初のシングルユース用チューブメーカーとして、バイオ製薬用途の流体における要求を満たすように設計された樹脂チューブ製品で参画する。このチューブはγ線やオートクレーブによる滅菌を可能とし、日本薬局方や米国薬局方をクリアしている。同社は日本における樹脂チューブのパイオニアとして半導体製造装置などで長年培われた技術で、医薬・医療分野での貢献を目指す。
藤倉コンポジットは、シリコーンゴムなどの素材を使ったコネクターや樹脂配管などの漏れを防ぐ「ガスケット」など計3種類の製品を用意し、2024年4月までに製品の発売を目指す。これらの製品は現在100%輸入に頼っているが、27年度には50%を国産化にするべく活動を進め、ワクチン・バイオ医薬・再生医療などの製品開発に注力することで社会へ貢献していく。