ブリヂストン
ブラジルで生産能力増強
「創って売る」体制強化
ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)のグループ会社であるブリヂストン ド ブラジル インドゥストリア イ コメルシオは、ブラジルで乗用車用タイヤおよび小型トラック用タイヤの生産を行うバイーア工場(ブラジルバイーア州カマサリ市)の生産能力増強を決定した。今回の投資金額は約2億7000万ブラジルレアル(約73億円)で、昨年7月1日に発表された生産能力増強の投資金額と合算すると、総投資金額は約9億7000万ブラジルレアル(約262億円)となる。2024年第1四半期までに増強を開始し、同年末までに同工場の生産能力は現在の年間約350万本から約500万本となる予定。同工場の建屋面積は約8万4000平方㍍。
ブリヂストンは、グローバルでプレミアム商品を「創って売る」体制の強化に向けた投資を実行しており、今回のバイーア工場の生産能力増強はその一環として、北米・中南米を合わせた米州地域の乗用車用高インチタイヤの創って売る体制の強化を図る。さらに“EV時代の新たなプレミアム”として位置付けている環境性能と運動性能を両立し、EV航続距離の延伸へ寄与する「ENLITEN」技術へも対応する。
また、米州における地産地消率を向上していくことによって地産地消を前提とした生産体制であるグローバルタイヤフットプリントの構築につなげていく。現在の米州地域における地産地消率は約90%で、今回の増強により、今後の米州市場での拡売へ対応し、ありたい姿である乗用車用タイヤの地産地消率グローバル95%を実現していく。
今回の生産能力増強について、石橋Global CEOは「乗用車用高インチタイヤにおいては、グローバルの販売総本数における高インチタイヤ比率を現状の約20%から2030年には約60%へ拡大していく。今回の増強は、当社グループの最重要市場である米州におけるプレミアムタイヤ事業基盤をより強固にする」と述べている。
さらに今回の生産能力増強により、バイーア工場における雇用が約1300人から1560人以上となるなど、地域の雇用促進、地域社会と共同で工場周辺地域の緑化や生物多様性保全プログラムを実施するなど、地域社会に貢献するとともに技術&イノベーション、サステナビリティの観点においても、同社グループの重要な生産拠点として将来のグリーン&スマート工場化も見据え、進化させていく。グリーン化については、カーボンニュートラル化実現に向けたCO2排出抑制新技術が導入される計画。スマート化については従来の自動化技術にデジタル技術を加え、AI制御を可能とすることで暗黙知を形式知化するなど、属人的なモノづくりから脱却し、タイヤのさらなる品質の向上や現場のスルラク(現場の負荷軽減)による労働生産性の向上、DE&Iの推進にもつなげていく。