2023年1月15日

新年インタビュー
西部工業用ゴム製品卸商業組合

活気ある活動展開
歴史的にも重要な転換点に

【昨年を振り返って】
事業を営む環境を顧みると、さまざまな変化に対応する力を問われた一年であった。ロシアによるウクライナ侵攻、中国・上海のロックダウンなどが企業活動にも少なからず影響を及ぼし、そういった事態はシリコーン、フッ素ゴムなど一部の原材料の需給ひっ迫を招いて原材料の不足に伴う品薄と供給の停滞を引き起こした。直近の原材料をめぐる情勢としては品目にもよるが、一時の差し迫った事態はかなり緩和されており、取引先メーカーからも当面は生産活動に差し障りが出ない量を確保しているとうかがっている。原材料価格やエネルギーコストなどの高騰を背景とする製品値上げも製品によっては二次、三次の値上げをメーカーでは余儀なくされており、原材料の動向については業界全体が抱える問題として憂慮している。商社においても値上げについては、あらゆる物の値上がり傾向が浸透していることでおおむねユーザーの理解を得ているものの、価格と納期は業界の信頼性にもかかわる大きな問題であり、今後も商工が協力しながら、お客様には引き続き誠意ある対応でご理解を頂けるよう努めていきたい。

【組合運営については】
昨年5月、理事長としての大役を仰せつかり、それに伴い組織の体制も大きく変わったが、新しい執行陣におかれては献身的な姿勢で組合事業に参画して頂き、非常に感謝している。各委員会活動においても体制を抜本的に見直しており、組合の将来を担っていってもらうべく若手を中心とする人選で運営に臨んでいる。新体制でスタートして半年以上が経過したが、これまでコロナ禍によって多くの活動を阻まれてきたものの、現状では事業を延期することはあっても中止にはせず、実施時期を見計らいながら開催を目指す方向性で進めてきた。そのような過程を踏んで「女性応援キラキラセミナー」や「夏季定例講演会」といった恒例の催しは秋季での開催にこぎ着け、計画していた行事はほぼ実施することができた。また、そういった行事の終了後には久しぶりに懇親会でも交流を深めることが叶い、感染予防に配慮した中での開催ではあるものの、ようやく以前の活動ができる状況に戻りつつあることを実感できた。

【今後の組合活動について】
今年も従来通りの事業の実施を念頭に進めていくが、組合の歴史的にも重要な転換点となりそうな取り組みとしては大阪ゴム商業会との合併を控えている。正式には今年5月開催の総会での承認を経て新たな第一歩を踏み出すことになるが、現在、皆さんからの意見をうかがいながら詰めの調整の段階に入っており、商業会との歩調を合せながら実現に向けて進めていく。大阪ゴム商業会は会員相互の交流を主眼とする団体なので、当会の事業においても活動がさらに多岐にわたって充実していくことを期待している。組織の統合によるシナジーを出しながら、より満足度の高い魅力ある行事を立案して実行へと移していきたい。

定例の商品説明会、各種のセミナー、研修会なども会員企業と従業員の知識向上とスキルアップに役立つ重要度の高い行事として引き続き実施していく。そういった行事においては、コロナ禍での活動継続を目指して導入に至ったウェブによる配信と対面形式を併用しながら、一層のサービスの向上と効率化の両立を目指していきたい。一方、組合内部の会合や事務局の運営においても、ウェブ会議システムを使用して一部のデジタル化を検討しており、まずは通常の開催が優先ではあるが、そういった時代に即したオペレーションも構築していきたい。

【現状の課題は】
日本は少子高齢化の波が押し寄せる中、中小企業においてもいかに人材を獲得し、育っていってもらうかは近年の重要なテーマとなっている。事業の推進力は“人”なので、人材育成事業にも一層力を入れていきたい。また、組合に参加する意義としては、日ごろの交流を通して事業に役立つ情報を得たり、業界のネットワークを持てることも大きなメリットだと考えている。コロナ禍に見舞われたことで、この数年は実際に会って付き合いを深めていくことが叶わなかったので、そのような交流を持てる機会を組合活動において取り戻していきたい。

【今年の抱負を】
徐々に活動を自粛せざるを得ない状況から脱却してきたので新体制の下、活気ある活動を展開していくスタートの年としていきたい。コロナと共存する新たな社会が形成されていくことは進展だととらえているが、現状ではまだ多くの課題が残されており、そういう事案を解消し、新しい取り組みに挑戦していく準備をする年にしたい。