2023年1月30日

積水化成品工業
グループ100年ビジョン

上位概念一部改定
Target2030制定

積水化成品工業(柏原正人社長)は、創立100周年を迎える2059年に目指す姿「積水化成品グループ100年ビジョン」を一部改定し、経営理念の体系化、理念体系内における上位概念の一部改定および新たに2030年に目指す事業の方向性「Target2030」を制定した。未来の不確実性が高まる時代だからこそ、改めて〝原点〟に立ち返る必要があると考え、経営の上位概念を再考。企業の存在意義である経営理念は不変としながらも、これを最上位とした理念体系として改めて定義した。

企業の存在意義である経営理念は不変としながらも、これを最上位とした理念体系として改めて定義。目指す事業の姿は、不確実性が高い状況下で、より近未来をターゲットに描くべきという考えに至り、59年の売上高目標は不変としながら、30年に目指す事業の方向性をTarget2030に込めて、これを羅針盤として企業運営のかじ取りを行う。

改定内容としては、経営上位概念を体系化し、経営理念を最上位概念として基本的に不変なものとしながら、その礎の役割を果たすコーポレートビジョン、行動規範を再考。理念の実践を支える大切な基盤として〝創業の精神(働く者の幸せのために)〟〝グループカルチャー(全員経営)〟を土台に据えた。新たに制定されたコーポレートビジョンは、「人と地球を大切に、新たな価値を創造するニューケミカル・ソリューション・カンパニー」で、創業時からのDNAである〝人を大切にする精神〟従来注力してきた〝地球環境への配慮〟に加え、〝新たな価値〟を創造し、〝化学の力で環境・社会課題を解決する〟ことによって持続可能な社会の実現に挑戦、同社グループの持続的成長との好循環を生み出していくという強い意志が込められた。新たな行動規範については、従来の行動規範をベースに、経営理念とコーポレートビジョンを踏まえながら、グローバルに広がるグループ員への理解と浸透を強く意識し、一言で分かりやすく明快な表現に改定。3つのテーマで構成されており、Entrepreneurship(起業家精神)については、革新的なビジネスモデルや素材開発など、新たな成長機会を追求する高いモチベーション、独創的な発想、創造意欲、高い独立心、リスクに対して果敢に取り組む姿勢を大切にする。Honesty(誠実)に対しては、一人ひとりが誠実であることは当然のことながら、法令遵守をはじめ、社会的責任の遂行と企業倫理を実践する。Harmony(調和)においては、人との調和、社会との調和、地球環境との調和を大切にする。

新たに制定されたTarget2030は、59年に目指す姿である積水化成品グループ100年ビジョンの実現に向けて、2030年に目指す方向性であり、中期経営計画「Spiral up2024」は、Target2030を達成するための経営計画であり、基本方針としては〝持続可能社会への貢献〟と〝持続的な企業価値向上〟の両立を全員経営によって実現する。

定量目標としては24年の売上高目標は1350億円で、基盤領域(食)を強化、価値創造によって注力領域(モビリティ、エレクトロニクス)、期待領域(住環境・エネルギー・医療・健康)を伸ばすことによって30年の目標として1600億円を目指す。営業利益目標としては24年度50億円(インダストリー分野58%、ヒューマンライフ分野42%)、30年の目標を130億円(インダストリー分野36%、ヒューマンライフ分野64%)、営業利益率、ROEともに8%以上を目指す。

基本戦略としては、高収益体質の追求による企業価値向上を果たし、持続的成長を支えるESG経営の推進を推し進める。高収益体質の追求による企業価値向上に向けては地球環境、社会課題の解決、人々の幸せに貢献することによって実現。持続的成長を支えるESG経営の推進においては、同社グループが持続的に成長をする上で、重要度の高い課題の中から、特に優先して取り組むマテリアリティを特定。30年までに解決すべき国際的な課題とゴールを定めた世界共通の目標SDGsの達成に貢献する。

積水化成品グループ100年は09年に策定、経営環境変化に伴い15年に一部見直しを行ったが現在、将来の予測が困難な〝不確実性の高い時代〟を迎えており、こうした時代に対応する目的から新たな改定に踏み切った。