2023年3月30日

積水化学工業
高耐熱基材レステープ開発

低VOC等世界初

積水化学工業(加藤敬太社長)の高機能プラスチックスカンパニーは、高耐熱・薄膜・低VOC・粗面接着性という4つの特性を併せ持った、世界で初めての工業用両面テープ「高耐熱基材レステープ5503HT・5505HR」を3月20日に発売した。厚み・色・耐熱性等に合わせ2種類のテープをラインアップ。5503HTの厚みは30㍃㍍で、色は黒、耐熱温度は180度まで。5505HRの厚みは50㍃㍍、色は半透明で耐熱温度は120度まで。

環境への意識が世界的に高まる状況にあって、各国、各地域においてガソリン車、ディーゼル車から電気自動車(EV)へのシフトが一段と加速。EVは動力源がエンジンからモーターに置き換わることから、暖房用熱源にエンジン冷却水が使用できなくなり、そのため電気を熱に変換する高効率な車載ヒーターが新たに必要となる。加えて、電装部品の増加に伴い車内のスペースがひっ迫するという問題も浮上している。同社はこの〝暖房用の発熱機器を安心して設置すること〟および〝車内の設計自由度の確保〟という新たな課題の解決に向けて取り組んできたが、今回、この課題を解決することができる高耐熱基材レステープの開発に成功した。

搭乗者の座面付近に設置する輻射ヒーターには必ず搭乗者保護用の布が使用されるが、ヒーターと布の固定にはこれまで高温でも安定した接着力を保つことや、ヒーター熱の伝わりを少しでも損なわないようできる限り薄くするほか、布のような粗面にも強い接着力を発現し、内装材に使用可能な低VOCであるという4つの課題が存在。同社独自の粘接着技術とポリマー重合技術により開発された5503HT・5505HRは、この4つの課題をすべて解決している。

通常、粘着性能は厚みに依存し、高温時では糊が溶けて粘着性能が低下するのが一般的だったが同製品は、独自の粘接着技術とポリマー重合技術を応用することによって、薄膜でも耐熱性と耐はく離性を両立している。180度の高温下でもズレが生じない耐熱性に加え、常温下でも強力な粘着力を発揮。これまで達成できなかった高温下における粘着保持力に優れ、一般品と比較して非常に高い耐熱性を備えている。常温下においても強力な粘着力(N/25㍉㍍)を備えており、強固に接着する。

粘着力や性能は維持しながら、人体に影響を及ぼすVOCを車両内装実績品の約5分の1と限りなく抑え、車室内など密閉された環境での快適性を高めている(日系大手車両メーカーのVOCに関する規格もクリア)。現状では高温度領域にはシリコーン粘着剤が用いられることが多いが、VOC13物質を含む場合があり、同社の高耐熱基材レステープ5503HT・5505HRは、その代替材料としての使用も可能となっている。

高耐熱基材レステープ5503HT・5505HRは、既にEV車種向け輻射ヒーター固定用途への採用が決定。今後は住建分野、産業分野などさまざまな分野への用途展開を加速させ、2025年度に売上高5億円を目指す。