2023年10月10日

【ホース・チューブ・継手特集】
ニッタ

半導体製造装置向けでさらなる拡販を
ラインメイト LB70シリーズ 新規顧客開拓

ホース・チューブ製品を手掛けるニッタ・ムアー事業部の2024年3月期第1四半期の業況は、前年同期比微減収だった。

一般産業事業は、これまで売り上げをけん引してきた半導体製造装置向けの需要が低調に推移し、同社のチューブ製品・継手製品の販売が影響を受けた。一方、建設機械向け油圧ホースは、昨年から地域差はあるものの総じて日系メーカーおよび韓国メーカーへの販売が好調を維持している。

オート事業は、自動車メーカーの半導体調達問題が大幅に改善され、今期に入ってからも前年同期比2ケタ以上の伸びを継続。下期以降も安定した自動車生産が見込まれることから、「通期の計画の達成に向けてまい進する」(同社ニッタ・ムアー事業部)。

今期計画の達成に向け、ここ数年で大きな課題となっているのが原材料、物流、ユーティリティコストなどの高止まりだ。同社では、これまでも一層の合理化や生産性の向上などの自助努力を行ってきたが、限界を超えているため、ホース・チューブ・継手製品について、9月から3~20%の価格改定を実施した。

今後も、一層の合理化と生産性の向上を図りながら、引き続き顧客ごとに丁寧に説明を行い、理解を得ながら価格交渉を進め、収益性の改善に取り組んでいく。

今後の取り組みとしては、成長分野と位置付けている半導体製造装置向けの需要の回復期に備えて、これまで以上の拡販を目指す。展示会では、2023年12月にセミコンジャパンに出展する。「本格的な復調に至るにはまだ相応の時間を要すると思われるが、種まき活動を行う」。また、工作機械向けでは超柔軟樹脂ホース「ラインメイトLB70シリーズ」で新規顧客開拓を推し進める。同シリーズのカラーシリーズについては、主要需要分野である工作機械のほか、各種製造装置などに向けても、流体による識別や誤配管防止といった優位性を打ち出しながら用途展開を加速させる。

自動車分野については、EVをはじめとする次世代自動車用の部材の開発に余念がない。従来まで主力であった燃料系ホースといった既存製品に置き換わるアイテムの開発・提案活動に力を入れており、直近の案件としては商用車における冷却配管の採用を獲得。次のステップとして乗用車用でも冷却配管の新規受注に向けた取り組みを強化している。その他FCV(燃料電池自動車)でも、水素配管・エア配管の開発を推進。エアブレーキ用では、日系自動車メーカーへの採用拡大に向けた取り組みが結実しており、「そういった成果は今期の売上高に着実に反映されると見込んでいる」(同)。