デンカ
タイに合弁会社設立
4億US㌦投じ生産工場も
デンカ(今井俊夫社長)は、タイ証券取引所に上場するSiam Cementの完全子会社であるSCG Chemicals(本社・タイ・バンコク、Tanawong Areeratchakul社長、以下、SCGC社)との共同出資により、アセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社「Denka SCGC Adⅴanced Materials Co.,Ltd」を設立することを決定した。なお、同決定はSCGC社の機関決定を条件としており、当該決定は本年中に行われる予定。
カーボンブラックの一種であるデンカのアセチレンブラックは、独自の熱分解合成技術によって金属、硫黄等の不純物が極めて少ない純度の高さに加え、優れた導電性を有している。ⅹEVのリチウムイオンバッテリー、洋上風力発電の高圧送電線ケーブル用途で使用され、今後も同用途での需要の伸長が見込まれている。そのため、デンカの経営計画「Mission2030」の注力分野である「ICT&Energy」においても、アセチレンブラックを戦略製品の一つと位置付けており、生産・販売体制強化を目的として同合弁会社を設立する。
デンカのアセチレンブラックは現在、国内外計3拠点で製造されている。タイでの製造拠点の新設ならびに年間1万1000㌧の生産能力を有するプラントの建設によって当該製品供給のさらなる安定を図る。
【合弁会社・Denka SCGC Adⅴanced Materialsの概要】
▽所在地=RIL Industrial Estate,88 Rayong Highway 3191, Map Ta Phut, Muang District,RayongProvince
▽代表者=堀内博人氏
▽事業内容=アセチレンブラックの製造・販売
▽資本金=2億US㌦
▽株主構成=デンカ25%、Denka Chemicals Holdings Asia Pacific(デンカ100%子会社)35%、SCG Chemicals40%
▽設立予定=2023年中(予定)
また、新合弁会社により、アセチレンブラックの生産・販売会社を設立し、タイ・ラヨン県マプタプットにアセチレン抽出・精製およびアセチレンブラック生産工場を4億US㌦を投じて建設することも決定した。完工は26年上期、稼働開始は同年下期を予定している。