2023年11月30日

長瀬産業
化学品AI共同物流マッチングサービス

業界初 化学品に特化、提供開始

長瀬産業(上島宏之社長)は、化学品に特化した「化学品AI共同物流マッチングサービス」の提供を開始した。同サービスはレンタルパレットサービス、物流ソリューションの提供、物流機器販売を展開している日本パレットレンタル(本社・東京都千代田区、二村篤志社長、以下、JPR)が提供するAI共同輸送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」のシステムを活用したもので、化学品に特化した共同物流マッチングサービスの提供は業界初となる。同サービスは長瀬産業が化学品を取り扱う国内企業を対象に提供・運用を行うもので、共同物流の成立時に手数料(年会費別途)が生じる成功報酬型のサービスとなる。

TranOptは、AIによって業界をまたいだ荷主企業同士をマッチングするJPRのサービス。共同輸送の機会を創出することにより、物流業界全体の課題である実車率や積載率の向上、CO2排出量の削減に貢献する。

近年、トラックドライバー不足の深刻化や運送業法改正による危険品物流の規制厳格化等の外部環境の変化に加え、化学品では安全面において一般品貨物との混載制限といった輸送の難しさや、臭いなどの問題から物流会社からも取り扱いを敬遠されるなど、化学品輸送の継続性が課題となっている。

化学品の取り扱いに関する知見や化学品メーカー、物流会社等とのネットワークを有する長瀬産業では、昨年5月に化学品を取り扱う企業を対象とした研究部会を立ち上げ、共同物流マッチングサービスの実証実験を開始。JPRからTranOptのライセンス提供を受け、参加企業である化学品・塗料・インキ等を取り扱う取引先や物流会社等約20社を対象に、マッチングから共同物流までの検証を実施した。

同サービスではTranOptに実装されたAIにより、危険物の混載を制御する新機能も利用が可能。また、荷主とドライバーとのマッチングを行う従来のサービスとは異なり、荷主同士をマッチングさせることで定期運行されている効率の低い輸送便を対象にマッチングが可能となり、輸送の効率化によりコスト削減やGHG排出量削減といった効果が期待される。

今後は輸送にかかわる倉庫のマッチングなど、化学品の物流にかかわる新たな機能の充実などを目指しながらサービスの展開を図っていく。