住友理工
口腔機能モニター「Oramo-bf」
同社初 歯科用医療機器拡販
住友理工(清水和志社長)は、歯科医療機器・材料・コンピューターなどの開発、販売および輸入を担うヨシダ(本社・東京都台東区、山中一剛社長)を通じて、口腔機能モニター「Oramo(オラモ)―bf」の拡販を開始した。
Oramo―bfは、咬合力(咬む力)を測定する製品で、住友理工では初となる歯科用医療機器。大学研究機関や歯科医院で使用されており、口腔機能低下症の検査項目である咬合力検査に用いられるほか、保険算定も可能となっている。Oramo―bfは、患者の口腔内にセンサーを挿入し、咬むだけで咬合力を簡単に短時間で測定することが可能。使いやすさを考慮したコンパクト設計で、訪問診療にも活用されている。
Oramo―bfの開発には、住友理工のコアコンピタンスである高分子材料技術と総合評価技術を基に、東京都健康長寿医療センターの歯科口腔外科部長・研究所研究部長である平野浩彦氏との共同研究により製品化。2022年7月より販売を開始、現在までに約600台を販売している。
現在、日本では口腔機能の維持などを目的とした後期高齢者歯科健診が14年から開始され、さらに国民に毎年の歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」制度の導入も検討されている。今後、超高齢社会が進むに連れ、咬合力をはじめとした口腔機能が低下し、噛みごたえのある食物繊維の多い食品や肉等を避ける傾向が増えており、国民の肥満や運動機能の低下による疾患などが懸念されている。そのような疾患の要因を防ぐ目的から、歯の健康を守ることが健康寿命を延ばすことにつながると推定。日本歯科医師会によりオーラルフレイルの概念が啓発されており、今後ますます口腔機能と健康に関する研究が進むにつれて、Oramo―bfの需要も高まると期待されている。
同社ではOramo―bfの普及を推進し、咬合力測定を身近に感じてもらうことで、高齢者だけでなくすべての人々の安心・快適な生活の一助となり、歯科医師からの効果的な治療・アドバイスにつながることでQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上、健康で長寿な社会の実現に貢献していく。