【2023年12月期決算】
ブリヂストン
売上収益は4兆円超
プレミアム領域強化図る
ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)の売上収益は前期比5・0%増の4兆3138億円、調整後営業利益は同0・4%減の4806億200万円、営業利益は同9・2%増の4817億7500万円、税引前当期利益は同5・0%増の4442億円、当期利益は同10・3%増の3313億500万円となった。調整後営業利益率については前年実績に及ばず、同社では今後も変化に対応できるビジネス体質の向上に向けて取り組みを加速させていく。
地域セグメント別では、日本の売上収益は前期比7%増の1兆2424億円、調整後営業利益は同37%増の2065億円。市販用乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数は前期比で下回った一方で、戦略的価格マネジメントに加え、低採算領域の削減によりプレミアム領域へのフォーカスを強化、原材料高騰・インフレ影響を売値・販売MIX改善でカバーした。鉱山車両用タイヤの販売拡大ならびに乗用車用およびトラック・バス用タイヤの海外向け輸出が堅調で、為替円安の追い風もあって前期と比較して増収増益となった。
中国・アジア・大洋州の売上収益は同1%増の4611億円、調整後営業利益は同4%増の416億円。販売本数では、新車用・市販用合計において乗用車および小型トラック用タイヤは前期を下回り、トラック・バス用タイヤは前期並みに推移した。一方で、域内各国での売値改善、プレミアム領域へのフォーカス徹底による販売MIX改善を達成し、為替円安の追い風もあり前期比増収増益となった。
米州の売上収益は同5%増の2兆800億円、調整後営業利益は同16%減の2120億円。北米タイヤ事業における販売本数は新車用・市販用を合わせて、乗用車および小型トラック用タイヤ全体では前期並みで推移、トラック・バス用タイヤは大幅な需要減速による影響もあり、前期を大きく下回ったものの、売値・販売MIXは着実に改善した。コスト面においては、インフレおよび販売本数減により生産調整を行ったことで加工費が悪化、アルゼンチンの超インフレ会計に関連する減益が大きく影響し、為替の追い風があったものの前期比増収減益となった。
欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカの売上収益は同4%増の9085億円、調整後営業利益は同62%減の251億円。欧州事業において、販売本数は市販用乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤにおいて前期を大きく下回り、特にトラック・バス用タイヤでは需要低迷が続き販売に大きく影響。これに対して、市販用乗用車用タイヤを中心に、戦略的価格マネジメント・低採算領域の削減を加速することで対応、売値・販売MIXを改善した一方で、コスト面におけるインフレおよび販売本数減による影響から生産調整による加工費悪化が大きく影響、為替の追い風があったものの前期と比較して増収減益となった。販売本数では、新車用・市販用合計で乗用車および小型トラック用タイヤは前期を下回ったが、トラック・バス用タイヤは前期並みに推移、域内各国での売値改善、プレミアム領域へのフォーカス徹底による販売MIX改善を達成したことで、為替円安の追い風もあり前期比増収減益となった。
その他の売上収益は同3%減の784億円、調整後営業利益は同24%減の56億円。
化工品・多角化事業の売上収益は2984億円、調整後営業利益は132億円、このうち化工品事業の売上収益は1704億円、調整後営業利益は96億円、米州多角化事業(空気バネ)の売上収益は624億円、調整後営業利益28億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益は608億円、調整後営業利益は7億円。
今期については、同社グループを取り巻く環境が、為替や原材料・素材価格の変動、不透明な世界経済や不安定な国際政治情勢などといったさまざまな要素を踏まえ、引き続き注意深く対応。同社グループでは〝2030年 長期戦略アスピレーション〟を道筋とした施策を確実に実行することにより、売上収益を前期比2・7%増の4兆4300億円、調整後営業利益を同10・3%増の5300億円、当期利益を同8・4%増の3590億円と見込んでいる。