2024年4月15日

長瀬産業
半導体分野等の製造機能強化

マレーシアで10億円投資

長瀬産業(上島宏之社長)は同社の子会社で、半導体および電子部品向け製造装置の販売・半導体ウェハバンピング受託加工製造を展開するPacTech―Packaging Technologies(所在地・ドイツ・ナウエン、Dr.Thorsten Teutschプレジデント)が、マレーシア・ペナンに拠点を置くPacTech Asiaに10億円の設備投資を行うことを決定した。本投資は、注力領域である半導体分野等の製造機能強化の一環となる。

本投資はスマートフォンや電子機器全般に使用され、半導体の高度化かつ低消費電力化への寄与が期待されるパワー半導体などのニーズの高まりを受けて同拠点内に半導体ウェハバンピング受託加工製造装置を増設するもので、新たに増設されるラインは今月以降、順次稼働予定となっている。今回の投資によって従来の約1・5倍となる生産能力の向上が見込まれており、スマートフォンや電子機器全般に使用されるウェハレベルパッケージ(WLP)受託加工市場でのシェア拡大を図る。

PacTech Asiaは無電解めっき方式のWLPをコア技術としており、グローバルのWLP受託加工市場で世界有数のシェアを有している。無電解めっき方式のWLPは、低コストかつバッジ処理による大量生産に適していることから主にミドル・ローエンド製品向け半導体に使用され、ハイエンド向けにはより微細な加工が可能な電解めっき方式が使用されている。近年、半導体の高機能化(複合化)や3次元化が進む中、ミドル・ローエンド向けの半導体製造工程をハイエンド向けに使用する動きが検討されており、無電解めっき方式のWLP市場が拡大することが見込まれる。

PacTech Asiaは、薬液の濃度や温度などのコントロール技術を強みとし、無電解めっき方式においても微細な加工を可能とする技術を保有している。今回の設備投資を通じ、半導体のおう盛な需要にこたえていく。