2024年4月15日

レゾナック
生産能力3・5~5倍に拡大

AI半導体向け材料

レゾナック(髙橋秀仁社長)は、AI半導体などの高性能半導体向け材料の生産能力を従来の3・5~5倍に拡大することを発表した。増産を行うのは絶縁接着フィルム「NCF」および放熱シート「TIM」で、いずれも高性能半導体向けに既に採用されている。投資金額は約150億円を計画、2024年以降順次稼働開始が予定されている。AI半導体市場は27年に22年の2・7倍に拡大すると予想されており、同社はタイムリーに生産能力を拡大させ、市場での優位性をさらに強固にする。

NCFは、高性能半導体に搭載されるHBM(広帯域幅メモリーの略。メモリーチップの積み重ね、貫通電極を前提としたメモリ規格で、従来のメモリーより帯域幅が広く、大量の情報を高速に処理できる)と呼ばれるメモリーを接続しながら多段積層するために使用。NCFには接着力とデバイスの接続信頼性に加え、サブミクロン単位の厚み精度が要求される。同社はNCFの前身にあたるダイボンディングフィルムの開発・製造で長年培った技術および経験を生かし、要求される品質を実現している。

TIMは高性能半導体の放熱用に使用されており、発熱するチップの熱を素早く放熱する熱伝導性と、繰り返しの温度変化に耐える信頼性、チップと冷却器の微小な凹凸に密着する柔軟性が求められる。同社は独自技術を使い、柔軟なシート材に特殊な形(独自の製造技術で黒鉛粒子をシート面に対し、垂直に配向させていることによりシートを介して素早く熱を伝えることができる)で黒鉛粒子を加えることで、要求される性能を達成している。

現在、高性能半導体を前工程で進化させることは、技術とコストの両面から限界が近づいているとも言われる。そのため近年では、後工程で複数のチップを高密度に実装し、高機能化を実現する2・xD、3Dパッケージ(2・5Dはインターポーザー上にICチップを並列配置する技術。3Dはシリコン貫通電極を用いてチップを積層する技術)がキーテクノロジーとなっている。

同社は後工程材料、評価・実装技術のオープンイノベーション・研究開発拠点であるパッケージングソリューションセンター(PSC)および同社が設立した半導体関連企業14社からなる次世代半導体パッケージのコンソーシアムのJOINT2を活用して、次世代に向けた半導体パッケージ材料の研究開発を推進している。今後も国内外の半導体関連企業とグローバルに共創し、高性能半導体の進化を最先端の材料で支えていく。