信越化学工業
シリコーン製品の新工場
中国浙江省に建設
信越化学工業(斉藤恭彦社長)は、シリコーン事業の拡大に向けて中国の浙江省に新会社「信越有机硅(平湖)有限公司」の設立と、シリコーン製品の新工場の建設を決定した。
信越化学工業は、中国におけるシリコーン製品への需要に対応するため、2002年に中国の浙江省に浙江信越精細化工(以下、浙江信越)を設立。03年からシリコーン製品の生産を開始し、これまで顧客や市場の要望にこたえ順調に生産を続けている。その一方で拡大し続ける中国国内の需要を見据え、浙江信越ではかねてより①生産能力の増強②生産品目の拡大③工場の建物、設備の更新について検討を重ねてきた。その結果、同じく浙江省内に用地を取得し、新工場を建設する今回の決定に至った。なお、これまで浙江信越の現工場が担ってきた生産機能も新工場に移転される。
新工場は、上海から約85㌔㍍離れた浙江省の平湖市にある独山港経済開発区に建設。用地面積は4万平方㍍(将来拡張予定地2万平方㍍含む)で、現工場の2倍の敷地面積を有する。既存の汎用シリコーンエマルジョン製品のほか、機能性のシリコーンエマルジョンや環境配慮型シリコーン製品などの高機能品を生産する計画で、26年2月の完成を目指している。なお、投資金額は事業用地の取得も含め約21億円の見込み。
中国国内のシリコーンの需要は、足元では調整局面にあるものの、中長期的には一層の拡大が見込まれている。信越化学工業は、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして付加価値の高いシリコーン製品を開発、供給することにより、中国市場における多様な要求にこたえるとともに、製品の安定供給および先進的な生産技術を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく。