【2024年12月期第1四半期決算】
ブリヂストン
売上収益2・0%増
調整後営業利益も増益に
ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)の売上収益は前年同期比2・0%増の1兆641億1500万円、調整後営業利益は同2・9%増の1201億7700万円、営業利益は同7・6%減の1177億5500万円、税引前四半期利益は同5%減の1201億7700万円、四半期利益は同4・5%減の866億1500万円となった。売上収益は、北米・欧州を中心としたトラック・バス用タイヤの需要減少および日本における春の履き替え需要遅れ等を背景とした販売数量減少や南米ビジネス悪化の影響を受けたが、市販用において乗用車用プレミアムタイヤの拡販による販売MIX改善を進めるとともに、超大型鉱山用タイヤにおいて前年並みの販売を確保、為替の追い風もあり増収となった。調整後営業利益は断トツ商品を軸にプレミアム領域へのフォーカスを一層強化し、赤字・不採算領域の削減・中止を加速させ、販売MIXの改善を継続。販売本数減少の影響による加工費悪化、固定費負担増があったが、中期事業計画(2024―26)で推進するグローバル調達、グローバルSCM物流改革、BCMA、グリーン&スマート化、現物現場での地道な生産性改善などのビジネスコストダウンが徐々に業績に反映され、増益に寄与した。原材料/売値・MIXスプレッドの改善に加え、販売本数減に対応した経費マネジメントも徹底し、為替円安による追い風もあり、前年同期比増益を達成した。調整後営業利益における増減要因は、原材料180億円、MIX20億円、営業費40億円(海上運賃単価影響70億円のプラス)、為替差益80億円、その他(棚卸未実現<利益率影響>260億円のプラス)204億円の増益要因があり、売値90億円(指数連動価格影響10億円のマイナス)、数量による260億円、加工費増による60億円(生産現場改善活動による効果で50億円のプラス)、アルゼンチン子会社の減益影響80億円の利益圧迫要因をしのいで増益した。なお、調整後営業利益率は前年同期比0・1㌽改善の11・3%となった。
所在地別では、日本の売上収益は前年同期比4%減の2888億円、調整後営業利益は同29%増の534億円。市販用の乗用車および小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤの販売本数は春の履き替え需要遅れおよび前年の値上げ前駆け込み需要の影響があり前年同期を大幅に下回り、数量減の影響を受けたものの、売値・MIXおよび営業費改善で吸収した。
アジア・大洋州・インド・中国の売上収益は同6%減の1298億円、調整後営業利益は同19%増の133億円。販売本数では新車用・市販用合計において乗用車および小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤはともに前年同期を下回り、販売数量減の影響を、売値・MIXおよび営業費改善で吸収した。
米州の売上収益は同6%増の5265億円、調整後営業利益は同32%減の368億円。北米タイヤ事業は販売本数は新車用・市販用を合わせて、乗用車および小型トラック用タイヤ全体では前年同期並みに推移し、トラック・バス用タイヤは前年同期を大幅に下回った。数量減少の影響、加工費が前年同期比で悪化したことによる減益影響に加えて、南米ビジネス悪化の影響が大きく、為替の追い風があったものの増収減益となった。
欧州・中近東・アフリカの売上収益は同2%減の2021億円、調整後営業利益は同38%増の54億円。欧州では、乗用車および小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を大幅に下回った。販売本数減少、加工費悪化の影響があったが、原材料/売値・MIXのスプレッドが前年同期比で改善、為替の追い風もあり、減収増益。
また化工品・多角化事業の売上収益は同2%増の779億円、調整後営業利益は同23%減の27億円。化工品事業の売上収益は同2%減の419億円、調整後営業利益は同57%増の24億円。スポーツ・サイクル事業の売上収益は同3%増の174億円、調整後営業利益は同37%減の6億円。米州多角化事業(空気バネ)の売上収益は同18%増の179億円、調整後営業利益は4億円の損失。
通期については直近公表の予想値からの修正はなく、売上収益は前期比2・7%増の4兆4300億円、調整後営業利益は同10・3%増の5300億円、当期利益は同8・4%増の3590億円を見込んでいる。