2024年5月25日

【2024年12月期第1四半期決算】
横浜ゴム

過去最高の売上収益
事業利益、利益率も達成

横浜ゴム(清宮眞二社長)の売上収益は前年同期比23・5%増の2524億1900万円、事業利益は同91・0%増の248億6100万円、営業利益は同102・6%増の267億5300万円、四半期利益は同104・0%増の197億9600万円となり、過去最高の売上収益、事業利益を達成した。また、事業利益率も過去最高の9・8%となった。主力のタイヤ事業において昨年5月に買収したTrelleborg Wheel Systems Holding AB(現Y―TWS)の業績が加わったほか、原材料価格や物流コストなどの改善に加え、為替円安も寄与した。事業利益における増減要因は、前年仮需による39億円、価格/MIX1億円(価格8億円のプラス、棚卸未実現9億円のマイナス)のマイナス要因があったものの、為替差益25億円、原料価格20億円(天然ゴム5億円、合成ゴム2億円、配合剤4億円、その他10億円のプラス)、販売量による3億円、物流費等(単価影響36億円、うち海上運賃30億円のプラス)、製造原価で4億円、固定費6億円、YOHT(Yokohama Off―Highway Tires、旧ATG)15億円(為替差<㌦→円>6億円のプラス、為替差<ユーロほか→㌦>4億円のマイナス、原料価格28億円のプラス、販売量12億円のプラス、物流費等14億円のプラス、製造原価4億円のプラス、価格/MIX40億円のマイナス、固定費5億円のマイナス)、Y―TWS38億円(Y―TWS事業49億円のプラス、PPA償却11億円のマイナス)、MB(マルチネス・ビジネス)事業における増益7億円、その他要因による増益3億円が利益圧迫要因を上回った。

セグメント別ではタイヤの売上収益は前年同期比26・2%増の2267億2000万円、セグメント利益は同85・8%増の233億5500万円。新車用タイヤの売上収益は、中国での日系自動車メーカーの販売不振の継続や、国内の一部自動車メーカーの減産による影響は受けたものの、値上げや円安が寄与し、前年同期を上回った。市販用タイヤの売上収益は、国内では前年4月の値上げによる駆け込み需要の反動があり減少したが、海外では中国、インドなどアジア地域で販売を伸ばしたことで前年同期並みとなった。OHT(オフハイウェイタイヤ)は、YOHTが欧州、新興国で販売を伸ばしたほか、Y―TWSの業績が加わり、OHT全体の売上収益は前年同期を大きく上回った。

MB(マルチプル・ビジネス)の売上収益は同5・5%増の237億6800万円、セグメント利益は同115・7%増の13億7000万円。ホース配管事業の売上収益は、自動車向けホースは北米の値上げ効果などにより堅調に推移したが、建設機械向けなどの油圧ホースは需要低迷により販売は振るわず、前年同期を下回った。工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトでは顧客の一時的な在庫調整の影響を受けたものの、海洋商品では海外を中心に販売を伸ばしたほか、民間航空機向け補用品の販売も好調に推移したことにより、前年同期を上回った。

全社の事業利益は天然ゴムなどの原材料価格が良化したことや、物流コストおよび生産エネルギーコストの改善に加えて円安も寄与し、前年同期に対して増益となった。

通期については、直近公表の予想値からの修正はなく、売上収益は前期比7・6%増の1兆600億円、事業利益は同16・0%増の1150億円、営業利益は同15・1%増の1155億円、当期利益は同10・8%増の745億円と、売上収益、事業利益は過去最高を見込んでいる。