TOYO TIRE
セルビア工場で開所式挙行
欧州初の生産拠点
大統領など国を挙げて歓迎
TOYO TIRE(清水隆史社長)は12月14日、セルビアに開設した欧州で初めてのタイヤ生産拠点、TOYO TIREセルビア工場(運営・Toyo Tire Serbia)の開所式を、セルビア工場棟内において挙行した。式典には、アレクサンダル・ヴチッチ大統領も臨席。会場を移して開催されたレセプション・パーティーには、アナ・ブルナビッチ首相が参列し、TOYO TIREセルビア工場の新たな門出に対して、国を挙げての歓迎を受けた。
開所式ではヴチッチ大統領のほか、インジヤ市のヴラディミール・ガク市長、駐セルビア特命全権大使の勝亦孝彦氏をはじめとする米欧取引先の関係者、工場建設関係者など総勢約140人が列席し、新拠点の開所を祝った。
式典であいさつを行った清水社長は「新しい工場をこの地に竣工、稼働できたのは、政府関係者による経済発展に対する並々ならない情熱に尽きるものであると確信している。当社としても、変化の速いマーケットに対してニーズの高い魅力ある商品をスピーディーに供給し、欧州地域における地産地消を進めることはもちろん、主力のアメリカ市場に向けた戦略的供給拠点としての機能をフルに発揮し、存在価値の高い工場に成長させていきたい」と意欲と抱負について述べた。
これに対してヴチッチ大統領は祝辞として「今日は日本の友人たちと一緒に5年間見てきた夢が実現した特別な日。私は〝made in Serbia〟の最高のタイヤが、ここから世界、北米や西ヨーロッパ市場へ出荷されていくことを期待している。同工場はTOYO TIREの欧州唯一のグリーンフィールド投資であり、品質や設備も世界最高水準を誇っている。これらによって国家のGDP、市民の給与水準が高まることは、われわれの幸せであると同時に誇りである」と賛辞の言葉を述べた。
レセプション・パーティーは同日、首都であるベオグラード市内のホテルに会場を移し、ブルナビッチ首相、勝亦大使のほか米欧の取引先関係者など総勢約90人が列席して開幕。清水社長は「TOYO TIREセルビア工場は欧州だけではなく、北米市場もターゲットとしており、グローバルな事業経営を進めている。来年下期にはフル生産体制が整う予定で、デジタルデータによる効率的な生産管理体制、気候変動に対する負荷を軽減するメガソーラー、製品の仕上がりをタイムリーに検証するテストコースなど、特長的な側面を随所に備えた当社の新しいモデルファクトリーとして成長させていきたい」と抱負を述べた。
これに対し、ブルナビッチ首相からは「TOYO TIREの新工場がインジヤに開所し、今週はセルビアにとって重要な1週間となった。経済協力や新たな雇用面だけではなく、私たちは日本のビジネス倫理や哲学から多くを学ぶことができる。TOYO TIREはイノベーションへの努力を行うとともに、最高水準の技術を投下し、わが国のビジネス環境全体に利益をもたらす存在であり、セルビアと日本が政治的、社会的、経済的な関係、そして相互尊重を継続していくことを願っている」という歓迎、祝いのメッセージを届けた。
その後、望みを叶える縁起物である日本の伝統工芸品「ダルマ」が紹介され、同社のブランドカラーである青色で着色されたダルマに対し、同社がセルビアに根を下ろして地域、国、世界に喜ばれる存在となることを祈念し、〝目入れ〟のセレモニーが行われた。